2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K17922
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小木曽 里樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10821738)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 屋内測位 / 音響計測 / 環境音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマイク信号の中に「どの音が」「どのくらいの音量で」鳴っているかを認識し、事前に記録した音環境の知識と比較することで測位する枠組みの確立を目的とした。提案法は事前の音環境サーベイにより 環境中の音の周波数スペクトルを音色テンプレートとして記録、その場所を音地図として記録する。測位時にはマイク信号をスペクトログラムとして表現し、音色テンプレートに応じた音の振幅を非負値行列因子分解により推定する。この推定された振幅がどの程度ありうるか、事前計測した音地図から位置尤度を計算し、環境音による測位を行う。本内容について研究所内の1フロアを対象として、マイクを2mごとのグリッド状に配置し、これらの位置座標を環境音から推定する実験を行った。この結果、環境音のみを用いて誤差中央値3.4 m程度で測位が可能であると示した。また、信号対雑音比による影響の評価を行い、メル周波数スペクトル係数を特徴とする場合に比べ悪い信号対雑音比でも精度が劣化しづらいことを示した。また、歩行者相対測位との統合を想定したシミュレーションを行った。これにより、環境音から計算した位置の尤度関数のみでの測位に比べ精度を向上できる可能性を示した。他方、次年度以降の歩行者に対する測位精度評価のため、所内1フロアにて8名の実験参加者を対象に各30分、及び営業中の商業施設にて4名各30分、マイクロフォンを装着し、歩行中の環境音および慣性計測装置(IMU)の情報を収録した。この際、位置の真値として、ハンドヘルドLiDARを同時に装着して位置座標を記録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた提案法の静止状態での検証、及び次年度へ向けたデータ収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に収集した歩行者のデータに対し、測位精度評価をおこなう。また、歩行者相対測位との統合を行った場合の測位精度、及び測位に必要な環境の条件を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の対策で国際学会が遠隔参加となったため、当該旅費の支出が発生しなかった。
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