2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K17922
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小木曽 里樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10821738)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 屋内測位 / 音響計測 / 環境音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は歩行者を対象とし、実際の運用環境を想定して、営業中の商業施設にて計測したデータでの測位法評価を目的とした。 昨年度末に計測したデータを測位評価に使用できるようデータセットとして整備した。当該データには、音源の基底学習用に冷蔵庫など14音源、4名の被験者の歩行中のIMU、BLE受信、環境音が3フロア合計44軌跡含まれる。各軌跡は3分程度の長さである。これらに対し提案法を評価した結果、測位誤差の中央値は4.1 mであった。BLEビーコンを用いる従来研究に比較すると精度は低いが、装置の設置無しでの絶対位置の情報源の1つとして利用できる可能性がある。 この中で、観測された各音源の特徴量(音量相当)がある閾値より小さい場合は測位に使用しないようアルゴリズムを変更した。その結果、この閾値が高いほど測位精度が悪化することがわかった。このことから、音が聞こえないこと、もしくはエネルギーは小さいが特徴的な基底が測位精度に貢献している可能性がある。また、提案法を単体で用いるのではなく、同時に得られている他の情報との組み合わせも検討した。歩行者相対測位や、地図上での移動可否情報との統合を従来研究にあるBLEビーコンと同様の方法で統合する場合、測位精度は環境音単体よりも悪化し、中央値10 m程度となった。このことと、音が小さいという情報が精度に寄与していることから、BLEビーコンとは性質が異なることを加味した統合が必要と考えられる。 他方、環境音を使用する際に問題となるプライバシーについて、断続的に音を計測することで話している内容を理解できなくできる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
営業中の商業施設で歩行者を対象としたデータに対して測位誤差を評価した。 予想とは異なる結果が得られた部分もあるが、提案法の本質的な理解につながると考えられ、引き続き研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
音量が小さいことを積極的に使用している理由やその特性を調べ、他の測位法との統合方法を研究する。
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Causes of Carryover |
前年度に行った実験結果を用いて研究をしたため、当初予定していた実験を本年度に行わなかった。 次年度は学会発表及び実験等に差額を使用する。
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