2022 Fiscal Year Research-status Report
Physical Interaction Between Users While Redirected Walking
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22K17929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 啓吾 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (20909527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リダイレクション / 多人数インタラクション / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,リダイレクテッドウォーキング(RDW)を適用した複数のユーザ同士の物理的なインタラクションを実現する手法を明らかにすることである.RDWとは実空間とバーチャル空間におけるユーザの位置・姿勢の対応関係を知覚されない範囲で操作することで,広大なバーチャル空間を狭小な実空間で実際に歩いて探索可能にする方法論である.しかし同一実空間にいる複数のユーザにRDWを適用すると,ユーザ間の相対的な位置・姿勢関係が実空間とバーチャル空間とでずれ,共同作業等で必要となるユーザ同士での物理的なインタラクション(接触,物体の受け渡し,共同把持など)が困難となる.この解決のため,本年度はRDW適用下のユーザ同士の位置姿勢関係を保存するRDW手法であるリダイレクテッドインタラクションの開発を行うとともに,ユーザ同士の物理的インタラクションの機会や衝突の可能性を予測しユーザの歩行経路を誘導する手法の検討と実装を行った.リダイレクテッドインタラクションの開発では,先行研究において提案されていたポテンシャルフィールドをベクトルポテンシャルを用いて拡張することで位置だけではなく向きについても制御することを試みた.また,複数人のインタラクションを考慮したリセット操作を新たに提案することで,他ユーザや境界セグメントとの衝突を回避する効果を強めることを試みた.さらに,バーチャル空間だけではなく実空間においてもユーザを目標地点へと誘導するため,VR体験を行うユーザにポテンシャルフィールドを適用した際に実空間における目標地点に到達可能かどうかを判定するシミュレータ機能を実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数人のユーザが実空間とVR空間の双方において他のユーザとインタラクションが可能になるリダイレクテッドインタラクションを実装しシミュレーション上で動作を検証する段階にある.現状では従来手法よりもリセット操作が増加するという課題があるが,今後アルゴリズムの改良などにより一定の改善が見込まれることから本研究課題は概ね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はVR体験を阻害するリセット操作の回数を減らすべく,アルゴリズムの修正およびパラメタのチューニングを行う.また,ユーザ同士の衝突を回避する従来の複数人RDW手法とリダイレクテッドインタラクションとを動的に選択する手法の開発と評価を行う.こうした手法がシミュレーションにおいて一定の成果が見られた後は,ユーザスタディを通して提案手法の評価を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は主にシミュレーション実験を行い,ユーザスタディに必要な機材等の調達を次年度以降に延期したため.
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