2022 Fiscal Year Research-status Report
高速ビジョンを用いた3次元形状計測と自由映像提示の統合
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22K17931
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 令央 東京大学, 情報基盤センター, 特任講師 (40808721)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 3次元計測 / 高速画像処理 / アクティブステレオ / De Bruijn トーラス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではプロジェクターとカメラからなるプロカムシステムにおいて,高速3次元形状計測と映像提示を連携させ,システム全体の性能を最大化する手法の開発を目指している.この研究目的に向けて,本年度は計測側の基盤技術となる高速3次元形状計測技術の確立を進めた.
プロカムシステムを用いた従来の高速3次元計測手法では,計測に必要となる情報をいかにプロジェクタから投影する構造化光パターンに埋め込み,カメラによる単一の撮像のみから計測を実現するかというデータ取得の高速性に主眼が置かれており,撮像した画像から実際に3次元形状を算出するデコード処理の高速性や低遅延性については,システム構築やパターン設計の段階では考慮されていないことが多い. 一方,本研究では計測システムの性能を最大化するために,プロジェクターとカメラの配置や,計算機のアーキテクチャに適したメモリアクセスや演算といった実問題として性能に直結する低レイヤー層から設計を行うとともに,特殊な配列を用いてパターンに埋め込む情報量密度を最大化するなど,理論面からも性能向上に向けたアプローチを行った. 結果として,高速低遅延性や計測密度および計測精度において従来手法を上回る3次元形状計測が実現できることを確認し,国内外で発表を行った.3次元形状計測技術にはロボティクスやインターフェイス,デジタルアーカイブ等の様々な応用があるため,本成果は本研究の目的だけでなく,幅広い分野において活用できる重要なものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画においては本年度は高速3次元計測技術の国内成果発表に留まる予定であったが, 評価を含めた国際学会での発表にまで至ったため,当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の対外発表は研究計画以上に進展したが,関連分野においてデバイスの納品が社会情勢によって大きく遅れる例が散見されるため,研究の進展を見通して,物品の調達は可能な限り早急に進める予定である.
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Causes of Carryover |
購入を予定していた計算機の納品が想定よりも遅く,円滑な研究遂行のため納期の早い別の製品に変更したため次年度使用額が生じた.社会情勢から,今後も物品費の高騰や感染症による渡航制限が緩和が続くことが予想されるため,適宜物品費や旅費に充当する予定である.
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