2023 Fiscal Year Research-status Report
高速ビジョンを用いた3次元形状計測と自由映像提示の統合
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22K17931
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宮下 令央 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 准教授 (40808721)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 近赤外線 / 光学系 / pnp問題 / ダイナミックプロジェクションマッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではプロジェクターとカメラからなるプロカムシステムにおいて,高速3次元形状計測と映像提示を連携させ,システム全体の性能を最大化する手法の開発を目指している.本年度はダイナミックプロジェクションマッピングでの3次元計測を行う新たな枠組みの開発と、前年度に確立した高速3次元形状計測技術で用いられるバイナリパターン解析の応用展開を進めた.
動的な対象にもぴったりと映像を投影することで実現するダイナミックプロジェクションマッピングにおいて、対象の形状計測を行う手法のひとつに法線計測が挙げられる.法線計測は対象表面の細かな凹凸を計測できる点で有用である一方、絶対位置や絶対姿勢は原理上決定できず、コンテンツとなる映像の内容や表現に制限が生じるという問題がある.本研究では絶対位置と絶対姿勢の計測、および法線計測を同時に実現する光学系を設計し、実際に赤外線領域でプロジェクションの可視光に影響を受けることなく同時計測が可能であることを示した.本成果は光学系の構成と配置によって映像提示に影響を与えることなく形状および絶対位相の取得を可能とするものであり、本研究の目的に貢献するものである.また、高速3次元形状計測のために開発したバイナリパターンの解析技術を派生させ、対象の個体識別手法に展開した.本成果はバイナリ空間パターンの解析が3次元形状計測だけでなく、幅広い分野で活用できる基盤技術であることを示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のデバイスにおいて、開発した独自の高速3次元計測手法を実装することにより、校正や実装上のノウハウが得られ、映像提示との連携を行う準備が整った.また、実際に計測と投影が連携するための光学系として研究実績の概要に挙げたような成果が出つつあり、研究は概ね順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
高速3次元形状計測や映像提示デバイスの実装上のノウハウが得られたため、研究目標の実現に向けて、改造や調整が行いやすいデバイス構成で土台となるプロカムシステムの構築を進める予定である.また、引き続き機能的なパターンの設計や解析手法の開発によりプロカムシステムの校正や対象の計測などを補助していく.
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Causes of Carryover |
プロジェクターを研究用途のプロカムシステムとして使用するために、改造費用を計上していたが、複雑かつ手作業が必要な工程であることが判明したため研究者代表自身で行った.結果として次年度使用額が生じたため、今後のデバイス開発費等に充当する予定である.
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