2022 Fiscal Year Research-status Report
高速かつ再利用可能なデジタルファブリケーション技術の開発
Project/Area Number |
22K17939
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山岡 潤一 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科(日吉), 講師 (60838697)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デジタルファブリケーション / インタラクティブメディア / 高速立体造形 / 3Dプリント / 磁性素材 |
Outline of Annual Research Achievements |
デジタルファブリケーションにおける立体造形の高速化と再利用化のため,従来の樹脂を積層する造形手法とは異なり,本研究では,磁性かつ熱可塑性のある粒状の素材を用いて短時間で立体物を造形する高速造形手法を目指す.そのため本研究では,簡易に接着・分離可能な磁性熱可塑性粒状素材の開発と理論化,磁力制御装置の開発および形状を操作する最適な設計方法の検証を行う.ユーザは,画面上で形状のモデルを作成すると,装置部で素材が変形して,暫く待つと軟化・変形して,設計したモデルの形状に変化する.このために電磁石で制御可能な磁性熱可塑性樹脂を開発し,最適な素材量や磁力分布などを検証し,変形との関係性を理論化する.短時間で形状を確かめることが出来,また材料も再利用可能であるため資源のロスも少ない.
このコンセプトを元に,水面上に任意の数字を表示するFloating Pixelsを開発した.これは磁性樹脂を用いて3D印刷した磁性球を水面に浮遊させ,下から磁石を取り付けた複数のリニアアクチュエータを制御して,任意の数字を表示する.さらに,複雑な形状を表現するために,複数のリニアアクチュエーターのピンディスプレイを開発している.6x6の2cm角のリニアアクチュエータを用いて,従来よりも高解像度の情報を表示することができている. これは,シンガポールで行われたデザインに関する展示会Design SuperpositionやSXSW 2023にて展示発表を行った.
今後は,これまでの成果をより発展させ,さらなる高解像度化を目指しながら,数字や低解像度の情報だけではなく,文字や文章,複雑な図形などの高度な情報を表示して,立体化する技術へ展開していく.研究目的の実現に向けて手法を確立させるとともに,共同研究先との製品化にも取り組み社会実装を目指す.さらには,研究のみならずアート領域の作品として展示することも考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,デジタルファブリケーションにおける立体造形の高速化を目指し,低融点樹脂と鉄粉を混ぜた変形可能な磁性樹脂の開発およびリニアアクチュエータと磁石を用いた磁性樹脂の制御装置の開発を行った.この成果をまとめ,SIGGRAPH2020 Posterに採録され,発表した.この成果を元に,水面上に任意の数字を表示するFloating Pixelsを開発した.これは磁性樹脂を用いて3D印刷した磁性球を水面に浮遊させ,下から磁石を取り付けた複数のリニアアクチュエータを制御して,任意の数字を表示する.さらに,複雑な形状を表現するために,複数のリニアアクチュエーターのピンディスプレイを開発している.これは,シンガポールで行われたデザインに関する展示会Design Superposition,Maker Faire Tokyo 2022や,SXSW 2023にて展示発表を行った. さらに、本提案のコンセプトを応用して、様々な分野への応用を実施している。例えば、マトリクス状に物体を配置する手法は、発光素子と光ファイバを用いて、任意の光る紐状立体を作る手法へ応用し、主に幾何学を学ぶ学習ツールを開発している。これはSIGGGRAPH ASIA 2021にて発表した後,ISCA INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD 2022を受賞した. また本手法の基本構想である,形状変化するディスプレイは,空気圧制御とエラストマー素材を用いることで,ディスプレイ表面に装着することで,画面上のコンテンツに凹凸を与え,立体形状を表現する手法を開発している.これは,映像表現・芸術科学 フォーラム2023にて空気や水の制御によるフレキシブル立体ディスプレイキットとして発表したり,SXSW 2023にて展示発表を行い,多くのフィードバックを得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでの成果をより発展させ,さらなる高解像度化を目指しながら,数字や低解像度の情報だけではなく,文字や文章,また複雑な図形などの高度な情報を表示して,立体化する技術へ展開していく.そのために,複数のリニアアクチュエータの同時制御や磁石の選定や素材開発などを進めていく. また本コンセプトの応用も同時並行で検討し,磁力だけではなく,空気圧制御などを組み合わせて,画面上のコンテンツを立体化する方法などを,多方面から実装・開発して研究を進めていく.また研究目的の実現に向けて手法を確立させるとともに,共同研究先との製品化にも取り組み社会実装を目指す.さらには,研究のみならずアート領域の作品として展示することも考えている.
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Research Products
(1 results)