2022 Fiscal Year Research-status Report
多次元時系列データに潜在する動的な因果構造のデータ駆動型推論アルゴリズムの構築
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22K17967
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 広明 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10833171)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 因果探索 / 潜在ダイナミクス推定 / 状態空間モデル / 確率的時系列解析 / データ同化 / ベイズ統計学 / 機械学習 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,未知の動的なシステムにおいて,観測することが可能な動的なデータを用いて,観測データの背後に存在する潜在変数,静的な因果構造,動的な因果構造を同時に推定するためのデータ駆動型アプローチの研究を行っている.
2022年度においては,動的な観測データから潜在変数とモデルパラメータを同時に推定するために提案されている自己組織化状態空間モデルをさらに拡張したモデルを新たに提案した.提案手法では,自己組織化状態空間モデルに温度に対応する潜在変数を導入することで,従来手法の初期分布への依存性を改善し,大域的な推定を実現した.さらに,神経細胞の数理モデルに基づく数値実験データを用いた検証実験を行い,従来手法では局所解に陥ってしまうような初期分布においても,提案手法を用いることで同様の初期分布から大域解の推定が実現可能なことを示した.さらに,これらの得られた成果について,国内会議において発表を行った.また,静的な因果構造と動的な因果構造を表現することが可能なダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現しなおし,静的な因果構造と動的な因果構造を状態空間モデルのモデルパラメータとして推定する方法について研究を行った.さらに,静的な因果構造と動的な因果構造を持つ小規模なネットワークにおいて,観測される動的なデータから潜在変数,静的な因果構造,動的な因果構造を同時に推定する実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の実施事項として当初に予定していた通り,ダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現しなおし,小規模なネットワークにおいて静的・動的因果構造の推定を行ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度にはダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現するとともに,状態空間モデルの潜在変数とモデルパラメータを同時に推定するための新たな手法を提案した.しかしながら,現状では小規模なネットワークでの実験に留まっているため,今後は大規模なネットワークでの実験を進める.また,大規模化に伴い推定される因果構造が複雑になりすぎることが考えられるため,スパース事前分布を応用することを検討する.
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