2022 Fiscal Year Research-status Report
脳の機能を模倣した汎用型AIハードウェア開発と家庭用サービスロボット応用
Project/Area Number |
22K17968
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 悠一朗 九州工業大学, ニューロモルフィック AI ハードウェア研究センター, 助教 (70911288)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 脳型人工知能 / ロボット / レザバーコンピューティング / 海馬 / 扁桃体 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳を模倣した汎型AIハードウェア実現の第一歩として,2022年度は海馬・扁桃体モデルの拡充,前頭前野モデルのベースとなるレザバーコンピューティングの拡充を行った.海馬・扁桃体モデルの拡充では,モデルに情動価値を導入し,ロボットにとって好ましいエピソードがあったときは「正の経験」として蓄積し,好ましくないエピソードがあったときは「負の経験」として蓄積できるようにした.この蓄積した経験にを活用することで,ロボットが好ましいエピソードに遭遇するように行動決定できるようになった.このAIモデルを用いたロボットデモンストレーションをロボカップジャパンオープン2022で披露し,@Home Open Platform LeagueでTechnical Challenge 1位を獲得した.一方,レザバーコンピューティングの拡充では,複数のリードアウトを備える「マルチリードアウトレザバーコンピューティング」の構成とその学習法を考案した.通常レザバーコンピューティングは,学習を担うリードアウトとして単一の線形モデルを備えるが,単一の線形モデルで学習データに適合できる能力には限界があることに加え,継続学習を行うと過去の学習で得たパラメータが上書きされる破滅的忘却が生じる.本研究では,リードアウトを複数備えることでレザバーコンピューティングの機能の拡充を行った.また,単に数を増やすのではなく,類似するタスクについては同じリードアウトを使うように自己組織化機能を追加し,効率の高い実装を実現している.ここで得られた成果は,電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム(SIS)研究会で報告し,SIS研究会若手研究優秀賞を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時,今年度はマルチリードアウトレザバーコンピューティングのソフトウェア開発を行う計画であったが,今年度はこの項目に加え,海馬・扁桃体モデルの拡充を行っているため,順調に計画を遂行できていると言える.また,海馬・扁桃体モデルのみではあるが,3年目に実施する予定のAIモデルのホームサービスロボット実装,およびロボットデモンストレーション披露の項目も実行済みである.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画通りに遂行する.海馬・扁桃体モデル,マルチリードアウトレザバーコンピューティングについては論文化が進んでいないため,次年度は特に論文の執筆に力を入れる.
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Research Products
(4 results)