2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K17978
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
伊東 聖矢 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30938709)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 概念階層 / 階層画像分類 / 領域分割 / スーパーピクセル / 3Dモデリング / 物体パーツ認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,概念階層に基づいて意味情報を処理することにより,状況に適した概念レベルの意味情報をもつ3次元環境地図を構築する,階層型セマンティックモデリングを実現することである.本年度は,1) 概念辞書から自動構築した概念階層に基づいた画像分類法,2) 未学習クラスに対応した意味的領域分割法,3) 単一画像から物体のパーツ認識と3次元モデル構築法を開発した. 1. 階層画像分類において,概念階層に沿って画像を分類する手法を提案した.具体的には,詳細クラスのクラス名を初期値として,概念辞書を参照し,2つのクラスに共通するすべての上位概念を含む概念階層を構築した後,冗長な階層を圧縮するアルゴリズムを開発した.また,自動構築した概念階層に基づいて画像を分類するモデルを提案し,人手で構築されたクリーンな概念階層を使用した場合と同等以上の認識精度を達成した. 2. 言語コーパスから構築した単語ベクトルを用いて,未学習クラスに対応した意味的領域分割法を提案した.提案手法では,画素単位で意味クラスを分類するのではなく,類似した画素をまとめたスーパーピクセル単位で意味クラスを分類するモデルを構築した.既知クラスの単語ベクトルから視覚的特徴を生成するモデルと,その特徴を識別するモデルを学習することで,未学習のクラスにも対応することができる.提案したスーパーピクセル単位の分類では,未学習クラスに対しても,ノイズの少ない領域分割が可能であることを示した. 3. 単一の画像からパーツレベルで物体の3次元形状を復元する手法を提案した.提案手法では,画像から物体のパーツ領域を認識し,そのパーツを基本形である直方体と円柱に近似し,それらを組み立てて物体モデルを構築する.直方体のみで物体モデルを再構成する従来手法に比べ,円柱を併用する提案手法では,より物体の形状に忠実なモデルを構築することできる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,認識すべきクラスから概念階層を構築する工程を自動化する手法を実現することができた.これにより,任意のクラスを扱う様々な認識タスクにおいて,自動構築した階層を用いて階層別の分析が可能となった.また,既知のクラスだけなく未知のクラスに対応した領域分割や,パーツの階層構造を認識した物体の形状復元といった意味や階層に関連するタスクに取り組み,それぞれの有効性を検証することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,セマンティック環境モデリングの部分タスクとして,画像分類,意味的領域分割,3次元物体形状復元に取り組み,提案手法を基礎的な実験設定で評価した.令和5年度は,幅広い実験設定で提案手法の有効性を検証していくとともに,手法の改良を進める.また,自動構築した概念階層を用いてセマンティック環境モデリングを行う方法を開発し,概念レベルと環境モデリングの精度の関係を分析する.
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Causes of Carryover |
移動ロボットの制御に用いるコンピュータを既存設備で補ったため,次年度使用額が生じた.繰越分は実験データ保存用のファイルサーバーのディスク増設および論文掲載料に使用する.
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