2022 Fiscal Year Research-status Report
心を動かす質感認知と瞳孔反応の因果およびその操作技術
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22K17987
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
田村 秀希 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40908612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 質感 / 瞳孔 / 光沢感 / 情動 / 時間的主成分分析 / 線形混合効果モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,瞳孔反応操作により質感知覚が変化するかどうかを検証するための実験パラダイムを構築し,このパラダイムをもとに実験を実施,その結果を分析した.実験では,瞳孔径を操作させるための情動刺激を500ms呈示した後に,1000msの時間を空け,光沢感知覚評定用の物体刺激を500ms呈示した.その後,1500msのブランクをはさみ,実験参加者は呈示された物体刺激の光沢感を7段階で評定した.同時に,実験中は瞳孔径を計測した.情動刺激には,IAPSデータベースのNeutral画像とNegative画像をそれぞれ10枚ずつ使用した.物体刺激には,先行研究で選択した一般物体画像60枚(Tamura et al., 2022, bioRxiv)を使用した.仮説として,Negative画像を呈示後は瞳孔径が散瞳し,それに伴って光沢感評定値が低下すると考えた.実験の結果,情動条件間で平均光沢感評定値,平均瞳孔径変化に差があるとはいえなかった.一方で,1から7で応答された光沢感評定値ごと可視化すると,光沢感が高いほど瞳孔径が縮瞳するという,先行研究を支持する結果が確認された.加えて,瞳孔径変化を時間的主成分分析にかけ,その構成要素の特定を試みると,第1成分に物体刺激による縮瞳,第2成分に情動刺激による縮瞳と散瞳の変化が含まれていることがわかった.それらを用いた線形混合効果モデルから,第1成分に評定条件と情動条件に主効果,第2成分に評定条件と情動条件の交互作用が認められたため,先行する情動条件によって,瞳孔径変化が生じることは示唆された.ただし,その反応が光沢感評定値を変調させるには至っておらず,これは物体刺激の意味的要因が強すぎたことによるものだと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
瞳孔反応を操作して質感知覚の変化を検証するパラダイムの構築,そのパラダイムを用いた実験の実施,およびデータ解析手法の確立ができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は物体刺激の意味的要因を弱めた刺激,例えばコンピュータグラフィックスでレンダリングした物体表面の光沢が異なる刺激を使用して,引き続き仮説を検証していく.
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Causes of Carryover |
近年の物価高騰・円安に十分対応できるだけの国際学会旅費を捻出するため,当初の計画より人件費・謝金を抑えた.よって,次年度使用額は次年度国際学会旅費に使用する.
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Research Products
(3 results)