2022 Fiscal Year Research-status Report
神経細胞集団のCa輝度変化情報の機械学習による医薬品の痙攣毒性予測法の開発
Project/Area Number |
22K17998
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 直毅 東北工業大学, 工学部, 助教 (80909490)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機械学習 / 脳・神経 / in vitro / カルシウムイメージング / 神経毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ハイスループット計測が可能な神経細胞集団のCaイメージング法で得られた輝度変化(1ウエルあたり1つの時系列データ)から、機械学習を用いて、痙攣リスクおよび作用機序予測を可能とする解析法を開発することを目的としている。本年度はヒトiPS細胞由来ニューロンを用いて、MEA計測でデータ取得済みの24種類の痙攣陽性化合物および5種類の陰性対照化合物における用量依存的なデータを取得した。輝度値の時系列データから算出したオシレーションのピーク関連パラメータを用いて機械学習を行い、オシレーションと非オシレーションを分類するオシレーション検出AIを作製した。作製したAIは97%の精度でオシレーションを検出した。次に、AIが検出したピークに基づき算出されたパラメータの主成分解析を行い、陰性化合物の主成分得点に基づく痙攣毒性予測法を開発した。痙攣毒性判定の結果、24つの痙攣陽性化合物のうち23化合物の毒性を検出できたが、5つの陰性化合物のうち2つの陰性化合物が毒性と判定されたため、偽陽性が課題となった。今後は主成分分析に使用するパラメータについて検討するとともに、パラメータを学習した機械学習による痙攣毒性予測法および、作用機序予測法の開発を行う。さらに、阻害剤、リガンド、承認薬等の化合物ライブラリーであるLoPac1280化合物のデータを用いて、開発した痙攣毒性予測法の予測結果の妥当性、および開発した予測法の課題を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、Caイメージングの時系列データを用いた、医薬品の痙攣毒性予測および作用機序予測を可能とする解析法の構築を目的とし、①オシレーション検出AIの開発、②多変量解析による痙攣毒性および作用機序予測法の開発、③機械学習を用いた痙攣毒性および作用機序予測AIの開発、④阻害剤、リガンド、承認薬等の化合物ライブラリーであるLoPac1280化合物を用いた予測法の精度検証の実施を計画している。初年度はヒトiPS細胞由来ニューロンを用いて、24種類の痙攣陽性化合物および5種類の陰性対照化合物における用量依存的なデータを取得し、97%の精度でオシレーションと非オシレーションを分類するオシレーション検出AIを作製した。次に、AIが検出したピークに基づき算出されたパラメータの主成分解析を行い、陰性化合物の主成分得点に基づく痙攣毒性予測法を開発できたため、おおむね予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
AIが検出したピークに基づき算出されたパラメータを用いて、化合物の痙攣毒性および作用機序予測を学習した機械を開発する。KNN、SVM等の複数のモデルを検証し、最も予測精度が高いモデルを同定する。さらに、LoPac1280化合物のデータを用いて、同定した化合物の痙攣毒性および作用機序予測モデルの予測結果の妥当性、および開発した予測法の課題を検証する。
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