2022 Fiscal Year Research-status Report
水生植物から排出される難分解性有機物のブルーカーボンへの寄与
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22K18022
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
久保 篤史 静岡大学, 理学部, 講師 (90803958)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 溶存有機炭素 / 難分解性 / 易分解性 / ブルーカーボン / 水生植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
水生植物におけるCO2吸収は『ブルーカーボン』と呼ばれ精力的に研究が行われている。これまでのブルーカーボン研究では,海洋のCO2吸収量や堆積物への有機炭素貯留量の推定が主に行われている。しかし、水生植物から排出される溶存有機炭素のブルーカーボンへの寄与は考慮されていない。水生植物から排出される有機物が難分解であれば,海水中に長期間残存するためブルーカーボンと同等の効果があると考えられる。そのため,これまでのブルーカーボン収支推定は大きな不確かさをもっている可能性がある。 まず、枯死後水生植物から排出される有機炭素量評価・分解特性評価を行うための検討実験を行った。その結果、培養ボトル・培養期間などの決定を行った。その手法に基づき、カジメ・コアマモなどの室内培養実験から枯死後に排出された溶存有機炭素濃度とその分解特性評価を行った。分解特性の評価は難分解性溶存有機炭素濃度の測定と発色団含有溶存有機物(腐植様蛍光)を用いて解析を行った。 次に、水生植物の代謝過程で排出された溶存有機炭素量評価を行うための現場培養実験を行った。水生植物から排出される溶存有機炭素量評価は先行研究と同様の方法を用いて行った。枯死後水生植の分解特性と同様に、難分解性溶存有機炭素濃度の測定と発色団含有溶存有機物(腐植様蛍光)を分解特性評価を行った。 上記の観測を行っている場所で堆積物コアを採取し、堆積物中への有機炭素貯留速度推定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
枯死後水生植物から排出される溶存有機炭素濃度推定のための、培養方法の確立ができた。そのため、今後は多くの水生植物を採取・分解実験を行っていくことで枯死後の水生植物からの難分解性溶存有機炭素排出のブルーカーボンへの寄与を評価することが可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降は、多くの水生植物を用いて枯死後水生植物や水生植物の代謝過程で排出される溶存有機炭素濃度とその分解特性評価を行っていく。堆積物中への有機炭素堆積速度推定を併せて行うことから、炭素貯留量(ブルーカーボン)に対する難分解性溶存有機炭素の寄与を推定していく。
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Causes of Carryover |
沿岸海域の観測旅費として利用する。
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Research Products
(3 results)