2023 Fiscal Year Research-status Report
光学的オフライン分析に基づく非水溶性エアロゾルの氷晶核への寄与解明
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22K18024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大畑 祥 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (70796250)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エアロゾル / 氷晶核 / 鉱物ダスト / 黒色炭素 / バイオエアロゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
鉱物ダスト・バイオエアロゾル・黒色炭素などの非水溶性エアロゾル粒子(WIAPs)は、放射や雲との相互作用を通じて気候に影響を及ぼしている。これらのエアロゾルの動態を理解するため、以下のような測定手法の評価と観測を実施した。 まず、フィルタに採取したエアロゾル試料を水に分散させ、複素散乱振幅センサで分析することにより、WIAPsを分類して粒径別数濃度を測定する手法の評価を行い、査読付き国際誌に発表した。この手法を用いて、2022年の夏季に西部北太平洋上空で採取されたエアロゾル試料を分析し、これまで観測の難しかった上空のバックグラウンド環境における典型的なダストの粒径別数濃度を明らかにするとともに、同試料の氷晶核数濃度の分析を進めた。また、北極圏に位置するノルウェー・スピッツベルゲン諸島のニーオルスン観測所にて、WIAPsと氷晶核を分析するためのエアロゾル試料の集中的な採取を、夏季の約2週間にわたり1日ごとに実施した。今後も本研究で評価した測定手法を様々な環境で採取されたエアロゾル試料の分析に応用することで、WIAPsの動態と氷晶核への寄与の定量的な理解が深まることが期待できる。 本年度はさらに、グリーンランド南部において、蛍光性バイオエアロゾルの集中的な観測を夏季に実施した。昨年度までに都市大気の観測で得たデータと合わせて今後解析を進め、様々な環境における蛍光性バイオエアロゾルの特徴づけを進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、非水溶性エアロゾルの測定手法の評価を進め、査読付き国際誌での発表に至った。また、本手法を用いて、様々な環境で採取されたエアロゾル試料の分析を進められている。さらに、グリーンランドにおける蛍光性バイオエアロゾルの観測も実施することができた。以上のことから本研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年の夏季に西部北太平洋上空で採取されたエアロゾル試料の分析結果をまとめ、査読付き国際誌に投稿する。また、北極域等で採取した試料の分析を行い、非水溶性エアロゾルと氷晶核粒子の数濃度の関係を定量的に明らかにするための解析を進める。これまでに取得した蛍光性バイオエアロゾルのデータ解析を行い、様々な環境における蛍光性バイオエアロゾルの特徴づけを進める。
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