2022 Fiscal Year Research-status Report
将来の堆肥枯渇に備えた汚泥炭化物による資源循環型新規硫酸アンモニウム合成法の開発
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22K18049
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
須網 暁 岐阜大学, 工学部, 助教 (80828666)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 汚泥炭化物 / 非平衡プラズマ / 発光スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,硫酸アンモニウムの新たな製造方法の開発として,汚泥炭化物中の硫黄成分とマイクロ波で誘起される非平衡プラズマに着目することで,汚泥炭化物(導電性物質)のアシストにより非平衡プラズマを発生させ,そのプラズマのエネルギーにより硫酸アンモニウムを含んだ炭化汚泥肥料を製造する.本実験では,アルゴン気流中で汚泥炭化物にマイクロ波を照射し,アルゴンの大気圧非平衡プラズマを発生させ,そのプラズマエネルギーにより汚泥炭化物中に含まれている硫黄酸化物と,排ガスなどに含まれるNO2およびH2Oを反応させることで硫酸アンモニウムの合成を行い,新規の硫酸アンモニウム合成プロセスを構築する.本プロセス構築の第一段階として,大気圧非平衡プラズマの発生に使用する汚泥炭化物を作製し,汚泥炭化物を用いて非平衡プラズマを発生させる.その非平衡プラズマの発生方法として,反応管内に汚泥炭化物を充填し,反応管下部からアルゴンガスを流通させ,汚泥炭化物にマイクロ波を照射することで,アルゴンの大気圧非平衡プラズマ発生させる.反応管の観察孔から非平衡プラズマの発光を観察するとともにプラズマの発光スペクトルを測定し,マイクロ波出力が非平衡プラズマの発光強度に与える影響を明らかにする.その結果として,アルゴン気流中で汚泥炭化物にマイクロ波を照射することでもアルゴンの非平衡プラズマが発生することを確認した.また,汚泥炭化物によって発生した非平衡プラズマの発光スペクトルは,活性コークスで発生する非平衡プラズマの発光スペクトルと同様なスペクトルが得られ,汚泥炭化物においても非平衡プラズマ発生のためのプロモーターとして十分に機能することが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状において,非平衡プラズマ発生のための汚泥炭化物を作製し,その汚泥炭化物をプラズマ発生のためのプロモーターとしてアルゴン気流中でマイクロ波を照射することで,アルゴンの非平衡プラズマが発生することを確認している.また,発光スペクトルを測定することでアルゴン励起に由来する発光スペクトルを確認している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,汚泥炭化物によって発生した非平衡プラズマを用いて,硫酸アンモニウム合成のための第一段階として,NO2およびH2Oからのアンモニア合成実験を実施する.
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Causes of Carryover |
当該年度に実施予定の研究内容は概ね進んだが,次年度に実施予定の実験に関わる装置や物品の購入については当該年度中には完了に至らなかった.しかしながら,本実験に関わる装置などの検討や見積もりは当該年度に実施済みのため,次年度には購入が完了するものであり,予算執行時の予定年度は変わるものの,使用計画全体への影響はないものと思われる.
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