2023 Fiscal Year Research-status Report
東アジア農村における日常生活のなかの近代化と冷戦 原水爆禁止運動と家電に着目して
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22K18123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩島 史 京都大学, 経済学研究科, 講師 (30745245)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 農協婦人部 / 洗濯機 / 全購連 / 国際協同組合連盟 / 戦後日本 / 農村女性 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1950年代から80年代にかけての日本の農村女性運動が、どのように冷戦体制に組み込まれ、あるいは、はみ出していたのかを明らかにすることを目的としており、1950年代から80年代にかけて農協婦人部によって展開された原水爆禁止運動と、1960年代に著しく進んだ家庭電化に焦点をあてるものである。 本年度は、研究計画に基づき、家電製品の普及と新たな共同性についての研究を継続した。省力家電のうちでは最も早くに普及した洗濯機の普及過程について調査する過程で、洗濯に不可欠な石鹸の販売・普及に農協組織である全購連が果たした役割が明らかになり、新たに調査を進めることができた。全購連はライオン油脂と共催で洗濯講習会を行いながら「洗濯」という営みそのものを農村に根付かせ、洗濯機やこの石鹸導入の下地をつくったこと、家電導入は単体ではなく、複数のテクノロジーと人のネットワークのなかで進むことが明らかになった。 ここまでに明らかになった点については国際学会・国内学会ともに報告を行い、有意義な意見交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に基づいて研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに明らかになった点については論文執筆をすすめる。 農協婦人部の原水爆禁止運動についての研究をすすめる
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Causes of Carryover |
今年度の国際学会報告が、パネルオーガナイザーの都合により対面ではなくオンライン参加となったため、旅費の支出が少なかった。次年度は対面で国際学会に参加する予定があるため、計画通り使用する。
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