2023 Fiscal Year Research-status Report
Society 5.0の交通・住・オフィス環境のユニバーサルデザイン要件の導出
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22K18140
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
土井 俊央 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (20794077)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ユーザビリティ / VUI / リモートワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,(1)スマートホームにおけるIoT機器操作,および(2)リモートワークにおける居住環境の2つの観点について,生活者とシステムとの適合性を高める要件を調査した. (1)においては,まだVUI操作になじみのないユーザを対象に,スマートスピーカーを10回繰り返し操作する操作実験を行った.そして,パフォーマンス指標,主観評価,回顧的なプロトコル分析の観点からスマートスピーカーのユーザビリティについて分析した.特に,パフォーマン指標においては各条件におけるlearning curveを確認,比較した.実験の結果より,4条件間の学習曲線には大きな違いはないことが明らかになった.また,「フィードバックの欠如」,「システムの応答ミス」などがユーザビリティの問題点として挙げら,これらが「システムへの不信感」につながっていることが示唆された. (2)においては,在宅ワーカーにとって快適かつ負担の少ない環境構築のための知見を得るため,在宅勤務者の満足度,ワークエンゲージメント,主観的生産性,ストレス反応と,在宅勤務状況・居住空間・家庭状況をウェブアンケートによって調査した.在宅勤務時の仕事環境については,SHELモデルの枠組みに基づいて,多角的に検討した:Software(仕事内容,生活リズムなど), Hardware(家具,機器など), Environment(室内環境),Liveware(同居家族との関わり).調査の結果,満足度やワークエンゲージメントといったポジティブな側面では,職務自律性の高さや自分専用の仕事スペースの有無などの影響が大きいことが示唆された.また,ストレス反応というネガティブな側面からみると,環境音の小ささ,家事による中断頻度の少なさ,人間工学的なイスの影響が大きいことが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた実験は今年度までに概ね完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究で明らかになった追加検討課題への対応および研究成果の取りまとめ(論文投稿)を行う.
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Causes of Carryover |
国際会議にオンライン出席したため海外出張旅費を削減できた.また実験にかかる費用が想定よりも少なく済んだ.次年度のオープンアクセス論文掲載費に充てる予定である.
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