2023 Fiscal Year Research-status Report
シングルセルオミクス解析によるダイレクトリプログラミング誘導転写因子の予測
Project/Area Number |
22K18173
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱野 桃子 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40717336)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング / シングルセル / マルチオミックス / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は様々な組織由来の細胞種に対してシングルセルマルチオミックスデータを取得し、ダイレクトリプログラミングを誘導する転写因子を予測するin silico手法を構築し、予測結果の妥当性を評価した。昨年度の調査から、一部の組織では解析に必要なシングルセルマルチオミックスデータが取得できないことがわかったため、当初予定していた予測対象とは異なる組織由来のデータを代替として予測に用いた。 その結果、様々な組織由来の細胞種に対して転写因子を予測することができた。予測された転写因子の上位の候補には実験的にダイレクトリプログラミングを誘導することが証明されている転写因子やパイオニアファクターを含む結果となっていた。 昨年度までの解析において、心筋細胞に対してダイレクトリプログラミングを誘導する転写因子の予測を行い予測精度を評価した結果、バルクのオミックスデータを用いた先行研究の予測結果より精度が向上することが確認できていた。今年度の結果から、心筋細胞のみならず他の組織由来の細胞に対してもシングルセルオミックスデータを用いることでバルクのオミックスデータを用いた場合より予測精度が向上する同様の傾向が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した予定の通り、転写因子を予測するための入力データをシングルセルオミックスデータに置き換え、様々な細胞種に対してダイレクトリプログラミングを誘導する転写因子を予測することができた。加えて、バルクのオミックスデータを用いた予測手法からシングルセルオミックスデータを用いる予測手法へ改良することにより、予測精度が向上することが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルセルマルチオミックスデータを用いてさまざまな細胞種に対してダイレクトリプログラミングを誘導する転写因子を予測するin silico手法から得られた予測結果について、バルクのオミクスデータを用いた予測結果との相違など予測結果の傾向を洞察する。それらを踏まえ、開発した手法及び予測結果について論文化を目指す。また、予測した転写因子が実際にダイレクトリプログラミングを誘導することができるのか、一部の細胞種について実験検証を行う。
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Research Products
(8 results)