2023 Fiscal Year Research-status Report
光生体調節作用を用いた三次元培養皮膚の感染防御能の強化
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22K18177
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
角井 泰之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門, 助教 (30806451)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光生体調節作用 / photobiomodulation / 三次元培養皮膚 / バリア機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の検討において、ピーク波長845 nmの発光ダイオード(light-emitting diode, LED)を用いた光生体調節作用(photobiomodulation, PBM)により、三次元培養皮膚のバリア機能を向上できることが示唆された。今年度は、PBMの効果の大きさを決定するであろうパラメーターとして、照度(単位面積あたりの光のパワー)について検討を行った。培養皮膚の真皮層側(下側)から波長845 nmのLED光を5 mW/cm2、10 mW/cm2、または20 mW/cm2で照射することでPBMを適用し、これを培養中(3日間)毎日繰り返した。培養皮膚の経上皮電気抵抗(細胞間の結合の強さを示す)を測定した結果、光を照射せずに培養した群(コントロール群)に比べ、すべてのPBM適用群で高い値が得られた。その中でも、特に5 mW/cm2でPBMを適用した群の値が高く、コントロール群との間に有意差が認められた。また、低分子の色素であるLucifer Yellow(LY)の水溶液(1 mM)を培養皮膚の表面に滴下し、2時間後に洗浄したのちにホルマリン固定し、組織中のLYの深さ分布を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、サンプル間でばらつきはあったものの、5 mW/cm2でPBMを適用した培養皮膚へのLYの透過が抑制されている傾向が確認された。より低い照度でPBMを適用した方が、さらに高い効果が得られる可能性があるため、今後条件の範囲を広げて検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記検討の過程で、光の照射条件によってはLEDアレイの発熱が無視できず、組織への熱影響が懸念された。発熱を軽減するための冷却機能の検討に時間を費やしたため、スケジュールに遅延が生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元培養皮膚へのPBMの適用により得られる効果について、照射条件による違いを中心に検討を続けていく。照度については、本年度に得られた結果をもとに、より広い範囲で比較を行う。また、光を照射するタイミングについても条件を振って検討する計画である。
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Causes of Carryover |
実験計画の変更により、細胞培養関連の理化学品や試薬の一部が購入不要になったため、次年度使用額が生じた。次年度の物品費と合わせて執行する計画である。
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