2023 Fiscal Year Research-status Report
ウイルス受容性有機分子へのポリマー付与技術による核心的ウイルス対策材料の創製
Project/Area Number |
22K18199
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
山脇 夢彦 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (90887085)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光有機触媒 / 光重合 / 二分子型光有機触媒 / 脱炭酸反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度【有機光触媒の種類に応じた選択的ポリマー付与技術の確立】 本研究の有機光触媒はその種類や組み合わせによって酸化還元電位が変化し、1級カルボン酸や3級カルボン酸などを選択的に反応できる。この様々な有機光触媒の組み合わせにより位置選択的なポリマー付与技術の確立を行った。 様々な種類のモノマーで検討を行ったところ、モノマーがアクリル酸メチルの場合、得られたポリマーは反応転換率81 %、分子量が26900、多分散度が2.21であった。続いて、アクリロニトリルの場合、得られたポリマーは反応転換率が trace量で、分子量が12900、多分散度が1.20であった。続いて、酢酸ビニルの場合、得られたポリマーは反応転換率が22 %、分子量が32200、多分散度が1.48であった。続いてアクリル酸t-ブチルの場合、得られたポリマーは反応転換率が10 %、分子量が12200、多分散度が1.24であった。続いて、N-イソプロピルアクリルアミドの場合、得られたポリマーは反応転換率が51 %、分子量89900、多分散度が2.41であった。このことから、様々なモノマーでポリマーが得られることがわかった。 さらに、上記の結果よりカルボン酸をN-Boc-Glu-OH、モノマーをアクリル酸メチル、光触媒をDBCとDCBとして重合を行ってポリマーを合成した後、モノマーをアクリル酸t-ブチル 、光触媒をBPとDCAとして重合を行い、目的とするポリマーを得られた。具体的には、一段階目で生成したポリマーは、反応転換率70 %、分子量が40900、多分散度が2.11であった。それに対し、二段階目で生成したポリマー13は反応転換率30 %、分子量が44500、多分散度が2.77であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度【有機光触媒の種類に応じた選択的ポリマー付与技術の確立】の目標は、N-Boc-Glu-OHを用いて達成された。N-Boc-Glu-OHは二級と三級のカルボン酸を分子内に有し、二級部分をDBC,1,4-DCBで選択的に脱炭酸させ、アクリル酸メチルをポリマーとして付加させた後、異なる二分子型触媒のBP, DCAにより一級部分を脱炭酸させてアクリル酸tブチルをポリマーとして付与させた。この異なる二つのポリマーがついた物質はNMRでそれぞれのモノマー由来のピークおよびGPCの分子量増加の確認が確認された。 上記より、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間で概ね順調に研究が進展しているため、当初の予定通り、【RAFT剤の適応によるポリマー鎖の長さを揃える技術の確立】つまりは、可視光LEDおよび有機光触媒を用いるため、有機光触媒が先に光を吸収することにより、RAFT剤自身が反応することなくポリマー鎖の長さを揃える技術の確立を目指す。 また、これまでの成果を学術論文誌にまとめることを目指す。
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