2023 Fiscal Year Research-status Report
心臓超音波による局所左室仕事量解析を用いた心臓再同期療法の効果予測
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22K18204
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 紀子 (江口紀子) 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10896062)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心臓再同期療法(CRT) / 局所左室仕事量 / CRTレスポンダー / 心臓超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓再同期療法(CRT)は心不全治療において、原疾患の治療や最大限の薬物加療を行った上でも効果不十分な症例に検討される。しかしながら一定の確率でCRT治療が奏功しないノンレスポンダーが存在するため、術前にCRT治療の効果が期待できるかどうかを判断することは非常に重要である。本研究の目的は、局所左室仕事量を用いることで、特に適応に議論のあるQRS幅が軽度延長した症例や非左脚ブロックの症例に対するCRT植え込み患者のレスポンダーを同定することである。 今年度は昨年度の結果を受け、類似する既存研究との結果の違いについてまず考察を行った。本研究では前壁中隔と後壁における術前の左室仕事量の差がCRTレスポンダーの有意な予測因子であったが、過去の類似の研究では下壁中隔と側壁の仕事量の差がCRTレスポンダーの予測因子として挙げられている。本研究は術前心電図でQRS幅が軽度延長した症例を対象としており過去の研究とは対象群が異なるが、なぜ術前のQRS幅によってCRTレスポンダーとなる対面が異なるのかを考察することとした。その結果QRS幅>150msのwide QRS症例群ではQRS軽度延長した症例群と比較し有意に術前にペーシング波形を呈する症例が多く、術前からの右室ペーシングがCRTレスポンダーの予測因子となる対面と何らかの関連がある可能性が示唆された。また今年後はwide QRS症例群と合わせ23例ほど症例の追加が可能となり、症例数を増やしさらに解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
術後の心エコー図検査フォローが規定期間内になされていない症例が想定以上に多く、当初の予定より解析可能な症例数が少なくとどまっているため。より正確な解析のためある程度の症例数を担保することを最優先課題とし、確実にCRT植え込み前後での心エコー図検査を当院で行えるよう、当科スタッフにも周知を徹底する。また現在CRT植え込み患者の中で、術前心電図検査でQRS幅が軽度延長したものを主な解析対象としているが、解析対象患者を広げることや他のアプローチ方法についても検討を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらにCRT植え込み患者の組み入れと解析を進める。研究を進めるうえで新たな疑問も生じているため、多角的にアプローチすることを検討する。左室収縮の非同期を評価するための新たな画像解析ソフトの導入も検討し、さらに研究を発展させていくことを目標とする。
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Causes of Carryover |
研究結果をまとめることを優先し、海外学会発表を次年度以降に繰り上げたこと。またさらなる研究の発展のため、当初予定していた解析ソフトに加え、今後はより先進的な画像解析ソフトを購入し、本研究を発展させる予定である。
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Research Products
(2 results)