2023 Fiscal Year Annual Research Report
診療中の映像に基づく歯科診療の手技アルゴリズムの推定
Project/Area Number |
22K18211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 真太郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 特任助教(常勤) (30912232)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科治療 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に構築した、患者診療中の術者および器具の状況を記録するシステムを用いて、最終年度途中までで約200症例のデータを蓄積した。すべての症例のレセプトの算定項目を集計し、算定回数が8回以下の珍しい項目しか算定していないもの、および初再診料しか算定していない症例を除外したところ158例となった。この158例のデータのうちトレー上の器具の存在情報(器具時系列データ)を用いて、歯科医師の手技の目的である、診療内容[歯周処置・う蝕処置・根管治療・根管充填]4分類および、レセプト算定8項目[レントゲン・歯周検査・歯周処置・う蝕への充填・補綴物の除去・根管への処置・根管長測定・根管充填]それぞれの有無の推定を行った。 まず診療内容の4分類を目的として、器具時系列データを用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた分類器を作成したところ、約75%の精度で分類可能であることがわかった。器具時系列データを時間方向に総和したデータを元に従来型機械学習であるサポートベクターマシン(SVM)を用いた分類器を作成したところ、約70%の精度で分類可能であることがわかった。 次にレセプト算定項目の推定を目的として、器具時系列データを入力として前述と同じCNNを用いた分類器を作成したが、ほぼすべての項目を0(算定していない)と出力するようになった。これは[8項目 × 158例]のレセプトの算定のうち76.6%が0という不均衡データがCNNの学習に適さなかったためと考えられた。そこでSVMを用いて各レセプト項目の分類器を作成しマシューズ相関係数で評価したところ、[歯周検査・歯周処置・う蝕処置・根管への処置]については60%以上となった。 以上のように蓄積したデータを用いることで、歯科医師の手技から処置内容を推定できたことから、映像等を用いて歯科医師の意思等を推定することが可能であることが示された。
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Research Products
(3 results)