2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K18215
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤田 大輔 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (90907867)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工知能 / 深層学習 / 尿路結石 / ESWL |
Outline of Annual Research Achievements |
計画① ESWL成功率予測(2022年度中)に関する成果について報告する。研究代表者である藤田大輔は国際会議"The 54th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications(2022年10月15日、奈良県コンベンションセンター)"において、"Evaluation Ureteral Stone Fragility using CNN"という題目で研究成果の発表をおこなった。この発表においては183のESWL適用例に対して、CT画像にCNN(画像特徴量抽出とクラス予測が可能な深層学習ネットワーク)を適用し、ESWLアウトカム(成功・失敗)の予測およびその予測性能を評価した。結石の関心領域の設定、また3つのCNNネットワークの性能比較がおこなわれた。その結果、ネットワークモデルResNet50がaccuracy:0.684、precision: 0.722、recall: 0.929、f1score: 0.812と最も良い予測性能を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、以下の観点から、計画と比較しおおむね順調に進展していると考える: ・データの前処理、関心領域の設定の完了:対象約180例の3Dデータである腹部CT画像から、結石部が含まれる関心領域を手動で設定した。これらは人工知能学習や各種データ解析が容易にできる形式で保存された。 ・ESWLアウトカム予測およびその性能評価方法の確立:結石の関心領域画像を入力とし、深層学習ネットワークモデルによる学習・予測方法が確立され、実行された。 ・研究成果の発表:本件課題に関して、1件の査読付き国際会議で発表がおこなわれた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の実績として、深層学習によるESWLアウトカム予測およびその性能評価方法が確立された。最終年度である2023年度では、予測性能向上および実臨床への適用のため、①症例データを含めた予測モデルの構築、②モデル解釈性の向上、を実施する予定である。①ではすでに病院よりCT画像と紐づけられた匿名化済み症例データ(年齢、性別、各種所見等)が表データとしてまとめられており、単因子の統計解析から、予測モデルへの追加がなされる。②については、CNNに適用可能な可視化手法や、最終モデルに含まれる因子数(特徴量数)の削減をおこない、解釈性の高いモデルを提案する。 また、計画時からの変更と対応について報告する。計画時では、ESWL後の排石率もアウトカムとして解析する予定であったが、排石率データの収集が困難であることが判明した。一方、ESWL前後のX線透視画像が入手でき、これによりESWL前後の結石長径の比較すなわちESWLによる破砕効果の定量的評価が可能となった。排石率に代えて、ESWL前後の結石長径を新たにアウトカムに追加する。これは、従来のアウトカム(成功・失敗)に加えてより詳細にESWLの効果を評価することができる。
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