2022 Fiscal Year Research-status Report
3D-Spectral Imaging system for thrombus monitoring in ECMO
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22K18226
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 伸友 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (90807554)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スペクトルイメージング / 画像解析 / 血液分析 / 血栓 / 生体モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
ECMOなどの人工心肺や透析等の体外血液循環回路では体内と比べ血栓が形成されやすく,血栓症のリスクが生じる.根本的な解決方法は血栓をつくらないことであるが、抗血栓性の高い材料や設計法の研究開発が目覚ましく進んでいる今日でも人の循環器系ほどの抗血栓性は実現できていない。そこで血栓ができた際に回路交換をするなどの対処が行われているが、目視による血栓の検査ではその検査感度や頻度には課題が残る。これらの課題解決の難しさの一つが血栓の検査技術である。定量かつ高精度な血栓検査技術があれば臨床環境下での血栓の常時監視が可能になり、またより抗血栓性の高い体外血液循環回路の開発を加速しうる。 本研究の目的は、スペクトルイメージングとその光解析により、血栓の3次元イメージングシステムを実現することである。 本年度はハイパースペクトルカメラとハロゲン光源等を用いた測定光学系を構築した。ポリカーボネート製容器壁面に模擬血栓を形成した後に容器内に血液を満たしたサンプルを測定対象として壁面に付着した血栓のイメージングを行った。模擬血栓はブタ血液に光硬化製樹脂を混合し紫外線照射することで作成した。血液と血栓はほぼ同一の色味であるため、それらの目視での判別は容易ではない。しかしながらスペクトルイメージングを行い多変量解析を施すことで、血液と血栓を判別可能とした。またイメージングの際の照明光の入射角度が判別性能に影響をおよぼすことを見出し、その依存性について評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標はハイパースペクトルイメージングの光学系を構築し、3次元イメージングのアルゴリズムを確立することである。この内、本年度までに基本的な光学系の構築を終えた。また3次元イメージングの前段として2次元での血栓イメージングが達成された。加えて模擬血栓を用いた評価サンプルの作成方法等、血液サンプルを用いた実験方法も確立され、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに光学系の構築と2次元での血栓イメージングが得られた。 今後はスポット光照射にて血液/血栓サンプルのハイパースペクトルイメージングを行い、逆モンテカルロ解析によって血栓の3次元イメージング像を構成する。得られたイメージング像と実サンプルの形状比較を行い、空間分解能や最高深達度といったイメージング性能を評価する。またこれらの評価で得られた結果に基づいて、本3次元イメージング法の最高イメージング速度と光学機器性能の関係性を明らかにし、本システムの理論体系を構築する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:一時的な実験装置の不具合により一部実験を次年度に持ち越す必要が生じた。その際、実験用の血液サンプルの購入を次年度に見送ったため次年度使用額が生じた。
使用計画:装置の不具合解消後に持ち越した実験のサンプル購入費として使用する。
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