2023 Fiscal Year Research-status Report
Community Sanitation created with local children
Project/Area Number |
22K18261
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐井 旭 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (30868039)
SIKOPO NYAMBE 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (80899758)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2027-03-31
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Keywords | サニテーション / 子ども / 地域社会 / 月経保健衛生 / インドネシア / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目である2023年度は、インドネシア(西ジャワ州、バンドン市)およびザンビア(首都ルサカ市)の都市スラムにおいて、現地カウンターパートと協働して現地フィールド調査を実施した。
1.インドネシア:現地のカウンターパート(BRIN:インドネシア国立研究革新庁)とともに、子どもの栄養状態、手洗い行動、また、女子生徒の月経衛生対処(MHM)について質問紙および聞き取り調査を行った。前者については、英文学術誌(Journal of Water and Health)に論文を出版した(DOI: 10.2166/wh.2023.121)。また、10月に札幌で開催された国際シンポジウム(FHS 2023)および、11月にインドネシア・バンドン市で開催された国際シンポジウム(GreenVC 2023)にて口頭発表を行った。
2.ザンビア:現地のNGO(Dziko Langa)と協働して、フィールド調査を行った。具体的には、子どもと若者を対象にWASH(水、トイレ、衛生)に関する教育プログラムを作成した。また、女子生徒の月経保健衛生(MHH)について質問紙および聞き取り調査を行うとともに、米国で開発されたサニテーションのリスクを測定するSaniPath Toolを現地仕様に修正し、地域の糞便汚染リスクを測定した。女子生徒のMHHについては、国際学術誌(Journal of Water, Sanitation&Hygiene for Development)に論文を出版した(10.2166/washdev.2024.069)。さらに、6月にルサカ市にて開催された11th Zambia Water Forum & Exhibition(ZAWAFE)において、メンバーでセッションを企画し、口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目にあたる2023年度は、フィールド調査を行い、現地で開催された国際シンポジウム(インドネシア:GreenVC 2023、ザンビア:ZAWAFE 2023)において成果報告を行った。さらに、英文学術誌に論文を刊行した(インドネシア:子どもの栄養状態と手洗い行動、ザンビア:女子学生の月経衛生対処)。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の調査を基に国内外において積極的に成果報告を行うとともに、以下の活動を行う。 インドネシア: (1) 学校や地元団体にコンポストトイレを導入し、子どもたちによる使用とメンテナンスの仕組みを作る。(2) 女子学生の月経保健衛生に関する調査を行い、月経衛生対処に影響をおよぼす社会文化的要因を解明する。 ザンビア: (1) サニテーションクラブによるアクション・リサーチの展示発表会を開催する。またSNSを用いた情報発信を行う。(2)日本、インドネシアとザンビアの子どもたちをインターネットで繋いで情報交換や異文化交流を行い、それぞれのコミュニティのサニテーション課題について学びを深める(Sani-Camp)。
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Causes of Carryover |
インドネシアでは、現地カウンターパートにおいて、大きな組織改革があり、当初予定していた事業(学校や地元団体へのコンポストトイレの導入)の一部が実施できず、次年度に持ち越すこととなった。 また、ザンビアでは、初年度に研究協力体制を構築したものの、メンバーの諸事情により見直しを余儀なくされた。そのため、予定していた事業が遅れた(サニテーションクラブによるアクション・リサーチの展示発表会の開催、SNSを用いた情報発信)。
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