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2022 Fiscal Year Research-status Report

超巨大地震発生域の高温高岩圧高間隙水圧環境を再現した岩石変形実験への挑戦

Research Project

Project/Area Number 22K18283
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

岡崎 啓史  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90784257)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 澤井 みち代  千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (20760995)
武藤 潤  東北大学, 理学研究科, 教授 (40545787)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywords沈み込み帯 / 地震 / スロー地震 / 摩擦 / 岩石変形実験
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、超巨大地震発生域原位置の温度・岩圧・間隙水圧を真に再現した岩石変形実験により、超巨大地震発生域に存在する超高圧な水が地震時の高速すべりとその先行現象となるゆっくりすべりなどの多様な断層すべり挙動にどのような影響を与えているかについて検証することである。そのために本研究では、申請者らが近年開発している改良Griggs型高温高圧岩石変形試験機に、
開発 ①:世界初となる1000MPaが発生可能な間隙水圧発生器の開発、
開発 ②:溶融プラスチックを封圧媒体に用いた高温液圧化および応力測定の高精度化、
開発 ③:試験機の剛性率を任意に変化させることによる多様な断層すべり挙動の再現、
の3点の技術開発をおこなうことにより、世界初の超巨大地震が発生する原位置環境を再現した岩石変形実験による高速断層運動の直接観察と断層物理パラメーターの測定をおこなうことを計画していた。
2022年度は本研究の肝となる最大間隙水圧を1000MPa程度まで拡張するため開発に成功した(開発①)。さらに最大1379MPaまで測定可能な圧力計を設置することにより、発生させた超高間隙水圧を精度良く測定できるようにもなった。また、溶融プラスチックを封圧媒体に用いた高温液圧化および応力測定の高精度化(開発②)についてもポリエチレンを用いての高温高圧実験が可能になった。加えて試料アセンブリ上部に使用していた鉛をより低融点を持つインジウムに変更したことにより試料にかかる応力以外の摩擦を大幅に軽減することができた。試験機にその剛性率を任意に変化させることのできる機構については現在開発中であるが、標準的な剛性率下での東北沖アウターライズ域から採取された堆積物についての高温高圧高間隙水圧下での摩擦実験について開始している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

円高及び材料費の高騰などにより当初予定していたよりも試験機の開発に予算がかかりはしたものの、研究初年度である2022年度中に研究の肝である間隙水圧発生器及び圧力計の設置に成功した。現在、予想外の箇所からの間隙水圧のリークを確認したが、圧力保持に問題はなく当該研究費の予算を用いて試料アセンブリの改良をおこなうことで改善が可能であると考えられる。2023年度からは巨大地震発生域原位置の温度・岩圧・間隙水圧を真に再現した岩石変形実験を遂行することが可能になったため、現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

2022年度中に間隙水圧発生器及び圧力計の設置が完了したため、2023年度からは巨大地震発生域原位置の温度・岩圧・間隙水圧を真に再現した岩石変形実験を遂行することが可能である。今後に関しては東北アウターライズ域から採取された遠洋性堆積物が将来的に沈み込み帯の地震発生帯へ沈み込んだ際にどのような摩擦挙動をするのかについて調べていく予定である。

Causes of Carryover

円高及び材料費の高騰のため一部センサーについて購入できないものがあった。また、試験機の調整が想定よりも順調に進んだため、研究打ち合わせの回数が減ったので旅費の使用を節約できたため次年度使用額が生じた。2022年度に生じた次年度使用額については2023年度予算と合わせて試験機の調整費として利用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] ブラウン大学/USGS(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      ブラウン大学/USGS
  • [Journal Article] The evolution of rock friction is more sensitive to slip than elapsed time, even at near-zero slip rates2022

    • Author(s)
      Bhattacharya Pathikrit、Rubin Allan M.、Tullis Terry E.、Beeler Nicholas M.、Okazaki Keishi
    • Journal Title

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      Volume: 119 Pages: -

    • DOI

      10.1073/pnas.2119462119

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 熱水環境下での岩石変形実験に基づく沈み込み帯プレート境界の摩擦特性と滑り挙動の多様性に関する考察2022

    • Author(s)
      岡﨑啓史、濵田洋平
    • Journal Title

      月刊地球

      Volume: 44 Pages: 582、590

URL: 

Published: 2023-12-25  

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