2022 Fiscal Year Research-status Report
最先端地下可視化技術によるサイスミックトレンチ法が拓く活断層の長期間活動履歴研究
Project/Area Number |
22K18304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90356452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (10462582)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 活断層 / 古地震 / DAS-VSP / 超高分解能反射法地震探査 / トレンチ / ボーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目は、2年目に実施するサイスミックトレンチ実験の調査方法・実験仕様および調査場所について検討を行った。 調査方法については、広帯域バイブレーター震源UV2を1台使用し、全体として測線長1 km程度の測線を設定し、このうち断層近傍の数百mについては稠密受発信を行う、超高分解能極浅層ー高分解能浅層のマルチスケール反射法探査とする。 また比較のため、一部インパクタ型震源も適用することも視野に入れる。測線沿いの4点程度にて掘削深度50 m以浅のオールコアボーリングを掘削し、このうちの1-2孔に光ファイバーケーブルを敷設してDAS-VSP法によるイメージングを実施する。これにより、断層近傍の超高分解能イメージングを図るとともに、ボーリングとの対比によって断層活動時期の推定を試みる。調査場所については、受発震測線が確保出来、比較的S/Nが高く、また既往の調査研究によってボーリング調査などが実施され、イメージングの対象となる完新統の厚さが十分である、森本・富樫断層帯北部が適地であると判断した。森本・富樫断層帯は、金沢平野の東縁に分布する、東傾斜の逆断層である。完新世後期に形成された微少な撓曲崖地形が形成されており、完新世に繰り返し活動したことが確実である。また、厚い完新統が断層の両側に分布することが分かっていることから、完新統の詳細な堆積・変形構造をイメージングすることによって、非掘削法による過去の地震イベントの推定を試みることができると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の様に、調査仕様・場所ともにほぼ確定したことから、2年目のサイスミックトレンチ実験の実施に向けて順調に準備が進んでいると言う事が出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、サイスミックトレンチ実験の具体的な準備として測線に関する許認可申請(道路使用許可申請、土地所有者の許可の取得、および鉱業法申請)を進めると同時に、役務契約手続きを早急に進める。
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Causes of Carryover |
1年目に実施した調査内容の検討、とくに調査候補地点の選定については、机上資料による検討の結果、別予算で既に調査を行っていた地点であり、現地確認の旅費や資料収集のための物品費を使用する必要が生じなかった。次年度使用額はサイスミックトレンチ実験立ち会いのための旅費やデータ保存のための消耗品に使用する。
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Research Products
(3 results)