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2022 Fiscal Year Research-status Report

Innovation of titanium smelting and refining process using hydrogen plasma

Research Project

Project/Area Number 22K18305
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

成島 尚之  東北大学, 工学研究科, 教授 (20198394)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 卓也  東北大学, 工学研究科, 助教 (10804172)
上田 恭介  東北大学, 工学研究科, 准教授 (40507901)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywords脱酸 / チタン融体 / 高純度化 / 原子状水素 / 酸素 / 鉄 / プラズマ
Outline of Annual Research Achievements

令和4年度は以下の4項目に関して研究を遂行した。
(1)溶解用チタン合金の作製:酸素除去(脱酸)の対象とする合金としては、チタン合金の中も最も使用量が多いα+β型Ti-6Al-4V合金を選択した。酸素濃度を約0.15mass%、0.3mass%, 1.5mass%の3レベルで変化させることとした。0.15mass%酸素材は市販のTi-6Al-4V合金をそのまま用い、0.3mass%および1.5mass%酸素材はコールドクルーシブル溶解により約10kg溶製した。これにより制御された酸素濃度を有するTi-6Al-4V合金での脱酸溶解実験が可能となった。
(2)水素プラズマアーク溶解条件の検討:半球状鋳型の溶解系において水素プラズマ溶解条件を検討した。水素プラズマアーク溶解→アルゴンプラズマアーク溶解の二段階プロセスではTi-6Al-4V合金融体からの酸素除去が確認された。水素プラズマ溶解のみのワンステッププロセスでも酸素濃度の低下は観察されたものの二段階プロセスと比較すると酸素除去の程度は低かった。
(3)引き抜き機構を有する溶解系の構築:チタン融体の溶融域の拡大および得られるインゴットの均一性向上を目的に、プラズマアーク溶解用の引き抜き鋳型を導入した。作製メーカーと綿密な打ち合わせを行うとともに予算を勘案して、直径30mmの引き抜き鋳型を設計・設置した。棒状のTi-6Al-4V合金をサイド部からフィードする構造となっている。引き抜き鋳型を用いた水素プラズマアーク溶解およびアルゴンアーク溶解を行い、いずれの溶解実験においても均一なインゴットが得られることを確認した。
(4) チタン融体の熱物質流動解析:プラズマ溶解中のチタン合金の溶融領域および融体流速計算を行った。チタン溶融深さは実験値と良い一致が見られ、融体表層ではマランゴニ流が支配的であることを示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「研究実績の概要」で示した4項目について進捗状況を自己点検する。
(1) 溶解用チタン合金の作製:対象とする合金種を決定するとともに酸素濃度を制御したTi-6Al-4V合金溶解試料を準備することができた。コールドクルーシブル溶解を採用することで均一かつ酸素濃度が良く制御された合金を準備した。これは実験の効率向上に寄与する。本項目に関しては「概ね順調に進展している」と評価する。
(2) 水素プラズマアーク溶解条件の検討:本項目は新たな溶解系における溶解実験のための予備実験的な位置づけとして行った。Ti-6Al-4V合金融体においても工業用純チタン融体と同様に水素プラズマアーク溶解→アルゴンプラズマアーク溶解の二段階法により酸素除去が可能であることを示した。本項目に関しては「概ね順調に進展している」と評価する。
(3) 引き抜き機構を有する溶解系の構築:資材高騰により厳しい予算状況ではあったが水素プラズマ溶解のための引き抜き鋳型を導入することができた。引き抜き鋳型を用いた水素プラズマアーク溶解においても当初の想定通りにTi-6Al-4V合金インゴットを作製することができた。令和5年度に水素プラズマアーク溶解実験を行う体制を構築した。令和4年度中に脱酸実験までは進行しなかったものの、本項目に関しては「概ね順調に進展している」と評価する。
(4) チタン融体の熱物質流動解析:インゴット半径方向の溶融域がやや狭く見積もられているものの、溶融域と融体の流速を評価できたことから、本項目に関しては「概ね順調に進展している」と評価する。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は令和4年度に構築した引き抜き鋳型を用いた水素プラズマアーク溶解での脱酸実験を行うことが最優先課題となる。水素プラズマアーク溶解ワンステップでのTi-6Al-4V合金融体からの効率的な酸素除去プロセス確立を目指す。加えて、水素プラズマアーク溶解→アルゴンプラズマアーク溶解の二段階法の脱酸効率向上を図る。溶解領域の把握なども含めて、実験および計算の両面からの検討により効率的脱酸プロセスを構築したい。前年度に半球型鋳型で検討した溶解条件も参考にしながら研究を遂行する。さらに、酸素とともにチタン中の主要な不純物元素である鉄の除去にも取り組む予定である。水素プラズマアーク溶解によるチタン融体からの鉄除去に関しては東北大三村らの報告がなされているが必ずしも効率的な鉄除去がなされていない。広く均一な溶融領域を有する引き抜き鋳型を用いて鉄除去プロセスにも挑戦する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] Effect of Niobium and Oxygen Contents on Microstructure and Mechanical Properties of α+β-Type Ti-(5-25)Nb-(0.5-1)O (mass%) Alloys for Biomedical Applications2023

    • Author(s)
      Ueda Kyosuke、Omiya Masahito、Kato Kotaro、Kanetaka Hiroyasu、Narushima Takayuki
    • Journal Title

      MATERIALS TRANSACTIONS

      Volume: 64 Pages: 138~146

    • DOI

      10.2320/matertrans.MT-MLA2022020

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 酸素に着目したチタンの低コスト・高機能化2022

    • Author(s)
      上田恭介
    • Organizer
      第2回日本チタン学会講演大会(2022年度)
    • Invited
  • [Book] 日本チタン協会70周年記念誌2023

    • Author(s)
      成島尚之
    • Total Pages
      237
    • Publisher
      日本チタン協会
  • [Book] チタンの基礎と応用2023

    • Author(s)
      成島尚之
    • Total Pages
      24
    • Publisher
      内田老鶴圃
    • ISBN
      978-4-7536-5112-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

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