2023 Fiscal Year Research-status Report
エンドファイト窒素固定能の機能実体特定とその世代間伝達
Project/Area Number |
22K18346
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
矢野 勝也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | サツマイモ / エンドファイト / 窒素固定 / 安定同位体 / ラマン顕微分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
15N2ガスをサツマイモに供与した後、植物体内から細菌群を回収した。ラマン顕微鏡を用いて、細菌シトクロムcを検出し、シトクロムc内部にC-14NだけでなくC-15Nを有する細菌が存在することを確認できた。希釈した細菌懸濁液を寒天ゲル上に塗布し、細菌シングルセルを観察した。15Nを含むシングルセルと含まないシングルセルをそれぞれ回収してゲノム解析を実施し、16S rDNA配列から窒素固定に関与した可能性のある細菌候補が得られた。同時に、ニトロゲナーゼ遺伝子(nifH)の有無も調査した。その結果、いくつかの細菌がnifH遺伝子を有すること、かつ15N2を利用したことを確認できた。
世代間での窒素固定能の関連性とエンドファイト細菌の移行性について調査するために、同一品種のサツマイモ苗を複数の生産地から入手し、同一圃場で栽培した。各個体の窒素固定能を評価しランキングを作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、当初の予定通りに進捗しているため
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は前年度育成した塊根(前世代)から芽出しし、出芽させた苗を同一圃場で栽培して、窒素固定能の世代間での関連性を調査する。すでに前世代各個体の窒素固定能の評価を終えており、今後は各個体から出芽させた苗を再度圃場で育成して窒素固定能を評価して前世代との関連性を調査する。同時に、前世代・次世代で検出されたエンドファイト細菌の関連性を解析する。
|
Causes of Carryover |
今年度購入した15N2ガスが当初見込みよりも安価で購入できたことによる。次年度ではゲノム解析等で依頼分析が増える予定であり、順調に使用できる見込みである。
|
Research Products
(2 results)