Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
森林圏と水圏の関係は、森林による降雨流出過程の制御や無機・有機物質の供給を通じて、両者が密接に関わっていることが知られている。本研究はこれとは別に、森林圏が水生生物のエネルギー代謝や成長に対して調節作用を示す生理調節成分を供給しているという仮説を立て、本成分を介した森林圏-水圏生態系の新たな関わりを解明することを目的としている。
本研究は、森林圏由来の有機化合物が水生生物の生理・代謝調節に関わってきたという応募者独自の観点から、これまで一般的に認識されてきた森林圏と水圏の関係を再構築することを試みており、その学術的意義は高い。本研究の遂行により、生態系において森林圏と水圏という分別して考えられてきた系を、新たな視点から総合的に理解するための知見が得られることが期待される。