2022 Fiscal Year Research-status Report
珪藻ゲノムに内在化したウイルス化石の現世における生態学的意義の解明
Project/Area Number |
22K18351
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
外丸 裕司 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 主任研究員 (10416042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 悠貴 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (20737316)
山田 和正 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 助教 (20778401)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 珪藻 / ウイルス化石 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者との対面によるスタートアップ会議を実施し、研究計画の点検と作業スケジュールの確認を行った。R4年度はChaetoceros tenuissimusを含む珪藻ウイルス化石の発掘のため、Chaetoceros属珪藻2株(AG07-C23、B株)の無菌株作製を行い、全ゲノム解析のための基本的な配列取得に成功した。また、ニュージーランド国のC. tenuissimus培養株の入手を試みたが、不在であることが明らかになった。海外の珪藻株の入手については引き続き継続していく予定。珪藻ウイルス化石の発現とその役割の関係解明のための技術基盤となるシングルセル解析マニュアルについては予備試験をしつつ点検を行い、作業スキームの整理を行った。シングルセル解析においては、上記株以外にも他種キートセロス属種にもチャレンジした。具体的には以下の流れとなった。 シングルセル解析における細胞分取の際には、はじめに前方散乱光と葉緑体の自家蛍光による二次元プロットで、葉緑体を持つことが明確な単一の粒子群を珪藻の細胞集団として選抜する。その後、前方散乱光のパルスの高さと面積による二次元プロットを用いて、凝集した細胞を分取の対象から除外することで、単一の細胞のみを分取の対象に選択する。この細胞集団を対象として、予め各wellにRNase free水が分注された96 wellプレートの各wellに1細胞を分取する。その際、細胞を含む液滴が確実にwell中の溶液に懸濁されるよう、分取前後にプレートを遠心する。細胞分取後には、プレートを液体窒素温度で凍結し、解析直前までディープフリーザーで保管する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、研究開始以降、共同研究者と全体的なスケジュールならびに各論の研究荷についての方向性と技術的問題点のチェックを行う事ができた。また、研究に必要な材料の確保について、順調に解析が進んだと評価出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時に共同研究者らと打ち合わせした研究内容に沿って、具体的に実験を行うことで研究を加速させていく。主な点として、珪藻ゲノム内のウイルス化石を探索するための基盤作り、ならびにシングルセル解析の強固な技術基盤形成に注力する予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は研究開始に伴う各種検討事項、データ解析、ならびに培養実験に伴うサンプリングに注力したため計画予算に余剰が出た。また、プラスチック系消耗品の納入時期などが間に合わず、社会背景による理由もあった。次年度は余剰予算を早期にプラスチック系消耗品や試薬購入等に宛て、研究の加速を図る予定である。
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