2022 Fiscal Year Research-status Report
Constructing primate testes in mice by replacing testicular cells
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22K18356
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
渡部 聡朗 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 専門職 (40715405)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 精子形成 / 霊長類 / 不妊 / 免疫不全マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスでは見られないヒトの遺伝子や生命現象を研究するために、マーモセットやカニクイザルなどの非ヒト霊長類が使用されている。しかし、①その飼育・実験には多大なコストがかかることおよび②動物福祉や経済的な観点から多くの個体を利用できないといった問題から研究の進展が緩やかである。その研究を促進するためには、霊長類に適した実験系の構築が必要である。 本研究ではマウス精巣に、ヒトや他の霊長類の精巣を構築してそれらの精子を産生するこれまでにない新しい系の構築を目指す。この系は、様々な動物種における生殖細胞研究を加速させるのみならず、生殖生物学、発生工学、生殖医療、遺伝子治療の各分野に次のような新機軸を持たらす技術となる。 そのためにセルトリ細胞、ライディッヒ細胞を除去することが可能な免疫不全マウスを作製する。セルトリ細胞とライディッヒ細胞を除いたマウス精巣に霊長類のセルトリ細胞・ライディッヒ細胞・生殖細胞を移植する計画である。 本年度はセルトリ細胞を除去できるマウスを作製するために、セルトリ細胞特異的なCST9遺伝子からiCaspase9を発現するノックインマウスを作製した。作出したマウスに薬剤AP20187を投与したが目的の細胞が除去されなかった。十分な量のiCaspase9が発現していなかったためと思われる。 そこで、iCaspase9ではなくジフテリア毒素依存的により強力に細胞を除去できるDTR遺伝子をCST9遺伝子座にノックインすることに変更することにした。ノックインが起こる条件を検討し終えたところである。現在そのマウスの作製に取り掛かっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを1ライン作製して解析を行うことができた。細胞を除去することはできなかったが、ノックインする遺伝子を変更し既に新しいラインの作製に取り掛かっている。このような事態は計画の段階から既に想定しており、おおむね予定通りに進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
セルトリ細胞特異的なCST9遺伝子座にDTR遺伝子をノックインした免疫不全マウスを作製していく。セルトリ細胞が除去できることが確認でき次第、霊長類の精巣細胞の移植を開始する。
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Causes of Carryover |
まだマウスの作製の段階にあり、霊長類細胞の移植・解析を行えなかったために、次年度使用額が生じた。できるだけ早く、目的の機能を持ったマウスを作製し細胞移植実験を進め、それらの経費を使用する。
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Research Products
(5 results)