2022 Fiscal Year Research-status Report
時間窓を拡張した次世代型単分子in vivoイメージングの実現
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22K18358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00292730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 洋平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40422282)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 単分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
解析時間窓を飛躍的に拡張する蛍光標識技術の開発 分~数時間オーダーの単分子イメージングの実現には、強い励起光照射下でも単分子由来 の蛍光輝点が長期に亘って見られるようにする必要があるが、本研究では従来にないコンセプトでこれを実現する。すなわち、光退色により蛍光輝点が減っていっても、次々と新しい輝点が生ずるようにすることで、常にまばらに蛍光輝点がある状態を作り出すというコンセプトである。この新しいコンセプトを廣瀬が開発を進めてきたDeQODE法をベースとして実装する。DeQODE法は、標的蛋白質に融合させたタグ蛋白質(DeQODEタグ)に添加した色素が結合するとその蛍光が ONとなることで狙った蛋白質を蛍光標識する技術である。DeQODEタグと色素の結合は可逆的であるため、原理的には色素が退色しても、順次新しい色素と交換され、蛍光輝点がまばらな状態を長時間にわたって維持できると考えられる。 今年度は、持続的に単分子イメージングに適した密度で明るい蛍光輝点が得られるように、DeQODEタグへの色素結合領域およびその近傍へ変異導入や、色素の誘導体化による構造展開により、結合・解離のキネティクスの最適化に取り組んだ。具体的には、DeQODEタグを細胞膜に発現させた培養細胞に種々の色素の融合体を添加した際にDeQODEタグとの結合・解離に伴って繰り返し現れる蛍光輝点の軌跡を解析した。ここで、加える色素の種類や濃度、DeQODEタグの変異体の種類の組み合わせを試し、長時間の単分子イメージングに適した条件を決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に予定していた長時間単分子イメージングに適したDeQODEシステムの最適化を計画通り完了し、次年度以降に取り組むマウス脳での単分子イメージングの準備を整えることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に計画していた長時間の単分子イメージングに適した条件に基づいてマウス脳スライスでの単一分子イメージングに取り組む。測定においては厚みのある標本での低バックグランドでの蛍光観察に適したライトシート顕微鏡を用いる。来年度は蛍光輝点とバックグランド蛍光値との比を指標にして励起に用いるライトシートの形状を最適化する。加えて、最適化した条件で脳スライス標本での単分子イメージングのテストを進める。
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Causes of Carryover |
本年度に取り組んだ長時間単分子イメージング系の最適化工程において、DeQODEタグの変異体作成、QODEプローブの作成において、これまでの予備的実験の結果を踏まえてより有望なものに絞り込むことによって必要経費の削減を実現できた。繰り越し分を用いて、次年度以降のマウス脳での単分子イメージングにおける光学系の最適化を当初計画より高いレベルで行う。
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Research Products
(5 results)