2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the biological rhythm oscillation by full-spectrum solar LED
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22K18384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 恵子 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60256196)
郡 宏 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80435974)
角谷 寛 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (90362516)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 生体リズム / LED / 光 / リズム中枢 / 霊長類 / 齧歯類 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽から照射される光は多様な波長成分からなる。そのうち最もエネルギー順位の高い紫外線UVBは角膜で、紫外線UVAは水晶体で吸収される。赤外線は水晶体で吸収され、可視光のみが網膜に到達し、これが環境からの情報として利用されている。この可視光は網膜の神経細胞で情報処理され、脳に伝達される。 従って、この可視光による障害を考える場合、網膜と脳での障害が考えられる。網膜では、網膜内の脂質、タンパク質や核酸が、酸化還元反応で修飾を受けることがその障害の分子基盤であるとされる。では、脳の場合はどうであろうか?光情報は視神経を介して脳に伝達されるが、受容された光情報は、視覚情報や非視覚情報(対光反射、概日リズムなど)として脳機能の調節に利用される。今回我々は、網膜からの光情報を直接受ける概日リズム中枢である視床下部の、視交叉上核(SCN)への影響を検索した。 今年度は、SCNのアストロサイトに発現する水チャネルAQP4の概日リズムにへの影響に関して検索した。AQP4の概日リズムは、明暗サイクル下や、恒常暗条件下では、全く正常で、野生型マウスと同じであった。しかし、持続的光照明下では、AQP4ノックアウトマウスの概日リズムの振幅は、野生型に比し大幅に低下した。 この恒常明で低下したリズム振幅は、恒常暗条件に戻すと、野生型では数日で回復するが、AQP4ノックアウトでは元のリズム性が回復されるまでの期間が著しく延長された。 可視光のうちエネルギーレベルが比較的高いブルーライトについては、網膜障害や概日リズム障害の惹起が危惧されている。この改善のため近年、太陽光と同じ全スペクトルを持つ太陽光LEDが開発されたが、この太陽光型LEDによる概日リズム障害の改善が期待される。 以上に加え、マーモセット行動・睡眠覚醒リズム、ヒトの睡眠リズム、またリズムの数理機構とその異常に関する研究を遂行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光を浴び続けることで、概日リズムはどのような障害が惹起されるのであろうか? 我々は、SCNに豊富に存在するアストロサイトに着目して研究を進めることにした。SCNのアストロサイトは、この部位にあるニューロンとともに、近年では、概日リズム発振の重要なプレーヤーであると考えられている。本研究では、初めて水チャネル アクアポリン(AQP)のうち、アクアポリン 4 (AQP4)がSCNのアストロサイトに大量に発現することを明らかにし、AQP4 ノックアウトマウスを使用して、概日リズムがどのように変化するかを検索した。 アクアポリンは水分子を選択的に透過させるが、イオンや他の物質は透過させない水チャネルであり、水分子はこのチャネルの細孔を通過する。この水チャネルが働くことで水の細胞膜透過性が上がるとされている。この結果は、AQP4ノックアウトマウスは長期暴露によるリズム産生の機能障害を概日振動の長期の光誘発障害を悪化させ、通常のリズムへの回復を遅らせる。AQP4は光による細胞性障害の防御に効果があることを示唆している。 本研究では、上記結果に加え、マウスにおける光による概日リズム障害の新規分子機構の検索をし、非ヒト霊長類マーモセットやヒトでの睡眠機構およびその病態機構を検索した。さらに、ヒトにおける睡眠の解析、睡眠病態の解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、概日リズム中枢であるSCNのアストロサイトが光による概日リズム障害に重要な機能を果たすことを明らかにした。今後、このマウスの結果をマーモセットでも試みる。さらに、行動リズム周期や位相を変動させる分子をさらにマウスSCNで探求し、これをマーモセットでも検索する。また、次年度は、太陽光型LEDでのリズム異常の検出を行い、その使用による改善を検討する予定である。 マーモセットやヒトの睡眠の解析は、現在行っているものを、数理解析を含め、さらに延長して解析を進める。各種病態もこれまで以上に、生理学、生化学、数理学を含めた総合的解析に力を入れて、完遂したい。
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Causes of Carryover |
本年度のマウスの実験結果をふまえ、来年度はマーモセットを中心に研究を進める。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Minimal upstream open reading frame of Per2 mediates phase fitness of the circadian clock to day/night physiological body temperature rhythm.2023
Author(s)
Miyake T, Inoue Y, Shao X, Seta T, Aoki Y, Nguyen Pham KT, Shichino Y, Sasaki J, Sasaki T, Ikawa M, Yamaguchi Y, Okamura H, Iwasaki S, Doi M.
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 42
Pages: 112157
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Circadian protection against bacterial skin infection by epidermal CXCL14-mediated innate immunity.2022
Author(s)
Tsujihana K, Tanegashima K, Santo Y, Yamada H, Akazawa S, Nakao R, Tominaga K, Saito R, Nishito Y, Hata RI, Nakamura T, Murai I, Kono Y, Sugawa M, Tanioka M, Egawa G, Doi M, Isa T, Kabashima K, Hara T, Okamura H.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 119
Pages: e2116027119
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Irregular sleep and all-cause mortality: A large prospective cohort study.2022
Author(s)
Omichi C, Koyama T, Kadotani H, Ozaki E, Tomida S, Yoshida T, Otonari J, Ikezaki H, Hara M, Tanaka K, Tamura T, Nagayoshi M, Okada R, Kubo Y, Oze I, Matsuo K, Nakamura Y, Kusakabe M, Ibusuki R, Shibuya K, Suzuki S, Watanabe M, Kuriki K, Takashima N, Kadota A, Katsuura-Kamano S, Arisawa K, Takeuchi K, Wakai K
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Journal Title
Sleep Health
Volume: 8
Pages: 678-683
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Idiopathic rapid eye movement sleep behavior disorder in Japan: An observational study.2022
Author(s)
Nishikawa N, Murata M, Hatano T, Mukai Y, Saitoh Y, Sakamoto T, Hanakawa T, Kamei Y, Tachimori H, Hatano K, Matsuda H, Taruno Y, Sawamoto N, Kajiyama Y, Ikenaka K, Kawabata K, Nakamura T, Iwaki H, Kadotani H, Sumi Y, Inoue Y, Hayashi T, Ikeuchi T, Shimo Y, Mochizuki H, Watanabe H, Hattori N, Takahashi Y, Takahashi R
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Journal Title
Parkinsonism Relat Disord
Volume: 103
Pages: 129-135
DOI
Peer Reviewed
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