2022 Fiscal Year Research-status Report
内皮細胞間細胞外微粒子交換に基づく新しい若年同調戦略の開拓
Project/Area Number |
22K18391
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 潤 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50335288)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / 内皮細胞 / 分化同調 / 抗老化 / 若返り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者らが新たに明らかにした生命現象「細胞外小胞(EV)を介した細胞分化同調」(Minakawa, J Extracell Vesicles, 2021) を応用して、ヒト多能性幹細胞(PSC)から誘導した内皮細胞由来のEVを用いて老化内皮細胞を若年内皮に同調させることにより、内皮細胞若返りに基づく新しい血管機能改善法と、EV治療薬などの新規健康寿命延長戦略の開拓を目的とする。ヒトPSC由来ECから精製したEV(ヒトPSC-EC-EV)を用いて、ヒトPSC-EC-EVのEC増殖に対する効果、老化に対する効果、動脈硬化病変に対する効果と作用メカニズムの検討を行う。新しいECの若年同調法を開拓し、再生医療の次の医療として注目される若返り治療の実現、細胞医薬の次としてのEV治療薬の開発への道を切り拓く本研究は、生物・医学・医療・社会に画期的な変化をもたらす高いポテンシャルを備えており、挑戦的研究として大きな意義を有する。 具体的には、ヒトPSC由来内皮細胞(EC)から精製したEV(ヒトPSC-EC-EV)のEC増殖・老化や動脈硬化動物モデルへの影響等を検討する。研究期間内においては下記の1)-4)の項目を検討する。1) ヒトPSC-EC-EVのEC増殖に対する効果、2) ヒトPSC-EC-EVのEC老化に対する効果、3) ヒトPSC-EC-EVの動脈硬化病変に対する効果、4) ヒトPSC-EC-EVの作用メカニズムの検討。初年度はヒトPSC由来ECにおける老化誘導モデル構築やヒトPSC-EC-EVの採取とEVの性状解析など基盤技術の確立を中心に進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトPSC-ECの老化誘導及びEV採取、EVの性状解析等、本研究の基盤となる知見・技術の取得を行い、研究が着実に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、ヒトPSC-EC-EVの培養下ECに対する作用を検討する。EV内分子の網羅的解析により責任分子候補の同定を進める。
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Causes of Carryover |
2022年度中に研究代表者の異動があり研究室セットアップ等も必要であったため実質的に研究を行える時間が想定よりも減少したため。
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