2022 Fiscal Year Research-status Report
Detection of the whole biota with environmental DNA measured PCR-free ultra-deep whole genome sequencing
Project/Area Number |
22K18429
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土居 秀幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80608505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 真理子 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 嘱託講師 (80792829)
片野 泉 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (90414995)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 環境DNA / 水域生態系 / 生物群集 / シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
生物多様性は人為的な要因により、地球規模で驚くべき速さで減少している。従来の生物多様性モニタリング手法は、多くの時間とコストを必要とし、生物多様性を網羅的に観察するには不十分と考えられている。それを解決する手法として、国内外で環境DNAを用いた生物調査手法が開発されてきた。 本研究では、PCRフリー超深度全ゲノムシークエンスにより全DNAを網羅解析するメタバーコーディング手法を確立する。それを、水域(河川・湖沼・海洋)の環境DNA調査に応用することで、採水・分析するだけで全生物相(細菌ー微細生物ーマクロ生物)を一度に丸ごと把握できる手法を開発する。本手法が確立されれば、1度の環境DNA分析により水域の全生物相を把握することが可能となる。本研究では確立した手法と既存の調査手法である採捕調査や既存の生物群ごとの環境DNAメタバーコーディングによる結果と照らし合わせることでその確からしさを検証し、環境DNA手法の最終形ともいえる手法を確立する。 本研究では、PCRフリー超深度全ゲノムシークエンスによる全DNAを網羅解析に関して、ため池、湖沼、河川での採水、濾過、全DNA抽出、ライゲーションによるライブラリ調整、超深度全ゲノムシークエンス、メタバーコーディングの技術を開発するものである。 今年度については、これまでの調査で得られていた環境DNAサンプル(ため池)について超深度シークエンスを行った。またそのデータについて解析し、ある程度の種群が検出できることを確認した。一方で、今回のシークエンスは数回ではあるが、PCRを介しており、完全PCRフリーについてはさらにDNA量が数倍必要であることが判明したため、次年度以降大量のDNAサンプルを得る手法を検討する。よって、すでにシークエンスについてはある程度目処が立っており、概ね順調に進行していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに、今年度については、これまでの調査で得られていた環境DNAサンプル(ため池)について超深度シークエンスを行った。またそのデータについて解析し、ある程度の種群が検出できることを確認した。一方で、今回のシークエンスは数回ではあるが、PCRを介しており、完全PCRフリーについてはさらにDNA量が数倍必要であることが判明したため、次年度以降大量のDNAサンプルを得る手法を検討する。よって、すでにシークエンスについてはある程度目処が立っており、概ね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、MMSeq2を使って解析を行なっているが、先行研究ではKaijuを使って解析をしつつあるようで、今後はそちらの解析を試す予定である。また、PCRフリーでの超深度シークエンスが行えるように、大量の水から環境DNAサンプルを得る。 また、野外でのサンプリングを開始し、河川、湖沼、海洋でのサンプル収集して、シークエンスを行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度シークエンスを行ったが、サンプルがまだ限られていたこと、またいくつか技術的困難面があり、他のシークエンスと相乗りするなど、予想よりもかなりシークエンス回数が少なかった。またシークエンスの実験も実験補助を使わず本人が行ったため、人件費が発生しなかった。そのため、次年度以降に予算を使用して、実験補助の人件費とシークエンス費用を支出することととした。
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