2022 Fiscal Year Research-status Report
実験室外の一般環境での脳磁図計測を可能にするウェアラブル磁気シールドの開発
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22K18438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関野 正樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20401036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 幹史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (50907938)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳磁図は、ニューロンが集団的に発火した際に生じる磁場を、頭部の表面に置いた磁気センサで検出し、脳活動のダイナミクスを捉える手法である。従来は特殊な設備である磁気シールドルームの中で測定する必要があった。本研究では、被験者の頭部へヘルメットのように装着できるウェアラブル磁気シールドを開発し、小型磁気センサと組み合わせて脳磁図を測定できることを示す。従来のシールドとは異なり、シールド装置の中心から外れた位置にもセンサを配置する点に技術的課題があり、逆問題に基づく独自のコイル設計手法と多点同時磁場制御によって、これを解決する。環境中の磁気ノイズ発生源は比較的遠方にある場合が多いため、磁場分布の0次(均一)成分が大きな割合を占め、これをゼロにするためのコイルを設計した。ヘルメット型の支持構造の上に3個のコイルを設けて、シールドコイルを構成した。コイルの形状については、シールド内部の磁場の不均一が最小となるように最適化を行った。最適化の具体的手法として、コイルを構成する曲面の上で、仮想的なポテンシャル(流関数)を定義して、コイルが作る面電流がポテンシャルの勾配で与えられるようにした。このポテンシャルと内部空間の磁場分布との関係を、ビオ・サバール則によって得た。この関係を離散化することによって、頭部の曲面がデータによって与えられる状況にも対応させた。最小二乗法によって、均一性が最良となるポテンシャルを求め、そのポテンシャルの等高線からコイルの巻線形状が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はウェアラブル磁気シールドの設計と理論的な最適化を計画しており、その計画を概ね順調に遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1次の傾斜磁場を発生するコイルの設計と最適化、磁気シールドコイルの制御手法の設計、脳磁図計測システムの構築と評価に取り組む。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] ダイヤモンド量子センサを用いたラット心磁図の高分解能計測2022
Author(s)
関野正樹, 荒井慧悟, 桑波田晃弘, 西谷大祐, 藤崎伊久哉, 松木亮磨, 西尾有輝, 辛宗浩, 曹馨雨, 波多野雄治, 山﨑正俊, 波多野睦子, 岩﨑孝之
Organizer
心電学関連研究会春季大会
Invited