2022 Fiscal Year Research-status Report
生体深部組織の単一細胞レベル解析を実現する高次非線形光音響顕微鏡技術の確立
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22K18441
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 真仁 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任准教授(常勤) (90648221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新岡 宏彦 大阪大学, 情報科学研究科, 特任准教授(常勤) (70552074)
山岡 禎久 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80405274)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 近赤外 / 深部イメージング / 非線形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体内やオルガノイドと呼ばれるミニ臓器などの生体試料の内部における細胞分布やその挙動を、単一細胞レベルの空間分解能で可視化、解析が行える新規深部3次元空間分解能イメージング技術の実現を目的としている。当初、本年度には、独自の走査技術を用いた光音響顕微鏡技術の開発を予定していた。しかし、多くのアメリカ製品の購入を前提に計画を立案していたが、2022年初頭からの円安およびアメリカのインフレの状況により、購入予定物品の価格が大幅に高騰してしまい、当初予定していた物品が揃えられない状況であった。現在まで様子を見ていたが、業者からの情報でも価格が元のレベルにもどる兆しが全く見えない状況である。今年度途中から、当初予定していた物品が購入できない可能性を踏まえ、代替品の選定や代替品を用いた場合における顕微鏡技術開発の方針や設計変更の検討に着手した。光音響顕微鏡技術と平行して開発予定である広視野近赤外蛍光イメージング装置の開発についても、前述の理由で購入できていない物品が多いが、こちらについては代替品の目処はすでについており、設計も完了している。AI技術を用いたノイズリダクションについては、所持している他の蛍光顕微鏡で撮影した低信号対ノイズ比の画像を用いて、検討を進め、空間分解能を大きく低下させることなく、ノイズを低減できる技術についてある程度の目処を立てることができた。試料観察時に用いるプローブについては、研究分担者と協力して、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究成果の概要欄で記載したとおり、アメリカ製品価格の高騰により、計画通りに必要な物品の手配が困難な状況である。開発内容の具体的な設計などは進めれているが、全体的に見た場合、遅延していると言わざるを得ない。このため、「(4)遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遅れと取り戻すため、代替製品の選定および代替製品を用いた装置の設計を早急に進める。代替製品を用いた設計や内容を検討する段階で、研究計画の修正が必要な可能性が出てきた場合には、早急に検討し、研究目的が達成できる方針や開発内容への修正を検討する。
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Causes of Carryover |
研究成果の概要欄にも記載したとおり、2022年度のドルに対する円安やアメリカのインフレの影響で、当初計画していた物品の購入ができなくなった。為替次第では、価格が高騰する前までに戻らないまでも、落ち着くかもしれないという情報が業者からあったため、代替品の検討、そして物品を購入せずとも進められる装置設計、AI技術の検討を行いつつ、アメリカ製品の価格の推移を2022年度春頃まで確認していた。このため、次年度使用額が発生している。アメリカ製品の価格が高止まりしている状態で、下がる兆しが見えないため、当初予定していた物品の購入を取りやめ、代替品を選定、購入し研究を進める予定である。
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