2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K18460
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
土屋 貴志 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (90264788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐金 武 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (40755708)
野末 紀之 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70198597)
新ヶ江 章友 大阪公立大学, 人権問題研究センター, 教授 (70516682)
石川 優 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80725036)
濱野 千尋 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (80910265)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 性愛 / セックス / 性的倒錯 / 性的逸脱 / 性規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは「性的倒錯」とみなされうる性行動の実証的調査および文献テクスト分析を踏まえて「性愛および『性的倒錯』とはそもそも何なのか」という根柢的な問題について考察する。哲学・社会・文化の3つのパートに分かれ、それぞれ必要に応じ研究協力者を得ながら研究活動を行う。これらのパートそれぞれが専門性の高い研究を主導し、相互にその成果を参照しつつ、評価やフィードバックを継続的に行う。 2023年度は、6月から、哲学教室の教員・大学院生・学部生や人権問題研究センターの研究員等にも広く告知し、Zoomを用いたオンライン公開研究会を、原則として毎月、計7回行なった。毎回、科研費研究代表者および分担研究者が話題を提供した(6月は新ヶ江、7月は土屋、10月は濱野、11月は佐金ほか、12月は石川、1月は野末、3月は土屋)。 また、社会パートでは、濱野が6月中旬から8月まで米国で、ラブドールおよびセックスロボットのユーザーに対する聞き取り調査を行なった。新ヶ江は、性愛をめぐる社会学・人類学・哲学の最新状況を文献調査により整理し、問題点を明らかにしている。 文化パートでは、石川は昨年度に引き続きマンガを中心とした男性同士の恋愛表象にかかわる資料を収集し分析している。野末は、19世紀英国における文学作品の分析を継続している。 哲学パートでは、佐金は研究協力者の大畑浩志氏・高野保男氏と、性的倒錯をめぐる哲学的研究を継続し、性的欲求の対象を「キャラクター」と捉えた考察を展開している。 土屋は、アダルトビデオ/性風俗産業の実態を分析するための哲学・倫理学的な視点づくりとして、フェミニスト倫理学やケア倫理学におけるポルノグラフィー批判等に関する言説のレビューを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、社会パートで海外調査を行うなど、昨年度の研究の遅れを挽回することができた。また、6月からほぼ毎月、研究代表者および研究分担者が順番に話題提供を行う公開研究会をオンラインで開催したことにより、外部参加者も含め研究成果の共有と検討を行うことができ、プロジェクト全体にわたり考察が大いに深まった。
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Strategy for Future Research Activity |
外部の研究者にも広報し、科研メンバーを中心に話題提供する、公開の定例研究会を、原則として毎月オンラインで行なう。また、これまでの研究成果を発表する公開シンポジウムを開催する。さらに、研究成果を発展させた論文集の出版計画を具体化させる。 社会パートの新ヶ江は、検討した調査倫理、調査方法に基づき、聞き取り調査を実施する。濱野は、海外での現地調査を行ない、成果を論文として発表する。 文化パートの石川は、国内での現地調査を行ない、成果を論文にまとめる。野末は、文献資料の分析および英国での現地調査を行ない、成果を論文にまとめる。 哲学パートの佐金は、これまでの共同研究を継続し、研究グループでのイベントや学会発表等を実施する。土屋は、アダルトビデオ/性風俗産業の実態に関する哲学的・倫理学的分析に取り組む。
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Causes of Carryover |
2023年度は、研究分担者の一人が米国において約3か月間にわたる聞き取り調査を行なったが、他の研究分担者は、勤務先の異動や学内業務の繁忙により、海外および国内での現地調査を行なうことができなかった。 最終年度である2024年度は、海外および国内での現地調査に加え、研究成果を発表する公開シンポジウムを開催し、そのために科学研究費補助金の残額を執行する。
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Remarks |
・土屋貴志「差別・人権・戦争」京都府立高等学校人権教育研究会総会講演、京都府立口丹波勤労者福祉会館、2024年1月30日 ・土屋貴志・堀智晴・土肥いつき・上杉聰「開講シンポジウム そもそも「人権」とは何だろうか?」じんけんSCHOLA(市民のための人権大学院)講演、大阪公立大学文化交流センター、2023年8月26日、ほか関連講演3件
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Research Products
(15 results)
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[Book] 家族社会学事典2023
Author(s)
新ヶ江章友ほか、日本家族社会学会編
Total Pages
754
Publisher
丸善出版
ISBN
9784621308349
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