2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K18477
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
有本 泰子 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60586957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 大毅 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (10302184)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | speech-laugh / 音響分析 / フォルマント周波数 / ケプストラム分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
speech-laughの発生機序を明らかにすることを目的とし,speech-laugh 発生時の声道特性を表す二種類の特徴量を用いてspeech-laugh冒頭と発話に含まれる音素の音響特性の違いを検証した.フォルマント分析の結果,/a/, /e/, /o/の母音はspeech-laugh 冒頭の方が発話に含まれる音素の方がF1 およびF2 の値が大きかった.メルケプストラムを使用した一般化線形混合モデルによる分析の結果,低次元のケプストラム係数が発話とspeech-laugh を区別することに貢献することが分かった. また,これまでに行なってきた音声学的分析に関しても,日常会話コーパス(CEJC)を利用して対話ドメインを拡張し,更なる分析を実施した。463 名(延べ人数)の会議会合場面および雑談対話場面のspeech-laugh ラベリング分節音ラベリング(MFA 使用後,手修正)を行ったのち,speech-laugh冒頭の音素を対象に統計的仮説検定を用いた分析を行った。その結果,歯茎破裂音sでspeech-laughが始まることが多いこと,雑談場面では歯茎付近の狭め(/d/, /t/, /z/, /n/)で,会議会合場面では声門(/h/) や両唇(/p/, /h/) での狭めでspeech-laughが生じやすいことが分かった。 本研究に関連する成果として,査読付き学術雑誌で2件の論文を発表した。それ以外にも,査読付き国際会議で2件,国内学会で招待講演を2件,国内学会で10件の発表がある。また,国内で発表した3件の研究に対して,その研究内容および独創性が評価され学会より賞を授与された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
言語普遍性の検証を可能とするため,日本語とそれ以外の対話コーパスを対象とする予定であったが,外国語の自発対話音声を入手することが困難であり,実現できていない。2022年度は,その分を年代を拡張して,20代から70代までのspeech-laughラベリングを実施した。2023年度は,現象のドメイン・依存性を確認するため,419名の大規模な音声資料を利用した分析を実施した。また,音響分析も着実に実施しており,成果を出している。そのため,概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
Speech-laugh の発生規則がspeech-laugh らしさに影響しているかどうかを検証するために,speech-laugh合成を実施する。合成したspeech-laughに対し,主観評価実験を実施して,その自然性を評価する。
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Causes of Carryover |
初年度に新型コロナウィルス感染予防対策のため,海外渡航規制が出ており,国際会議に参加するための渡航費を使用することができなかったこと,外国語のコーパスを購入することができなかったことにより,次年度使用額が継続的に生じている。2024年度も引き続き外国語コーパスの購入を検討するとともに,研究発表にかかる費用,および音声合成に必要な機材の購入費として使用する予定である。
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