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2023 Fiscal Year Research-status Report

Behavioral finance research on individual investors combining surveys and transaction data

Research Project

Project/Area Number 22K18529
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

岩壷 健太郎  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (90372466)

Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
KeywordsFX証拠金取引 / 行動バイアス / 投資戦略・取引行動 / 自信過剰 / 心の理論 / 時間割引 / 曖昧さ回避
Outline of Annual Research Achievements

2つの研究を行った。一つは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う円高時にFX証拠金取引を行う個人投資家がどのような投資行動をとったのか、その行動と投資パフォーマンスの関係を分析したものである。2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急激な相場変動によってFX投資家が大きな損失を被った。本研究では、ロスカットのタイミングや投資家の行動を調査した。ロスカットにあった投資家にはロスカット当日に市場に参入した短期投資家が長期投資家よりも多かったが、両者の損失差はあまり見られなかった。また、3月中の日々の取引では利益を出した投資家が損失を出した投資家よりも多かったものの、1人当たりの損失額が利益額よりもはるかに大きい。つまり、「損大利小」と呼ばれる行動バイアスが大きな損失の原因である。日本のFX投資家は逆張り傾向があるとの指摘が多いが、長期的には順張りの行動が多く、それが大勢の利益口座を生んでいる。
2つ目の研究は、過去に行った研究をジャーナルのレフェリーの注文に応えるべく、加筆修正したものである。大規模なアンケート調査を用いて、個人投資家の取引行動、行動バイアス、パフォーマンスを測定した。その結果、行動バイアスがパフォーマンスに最も大きな影響を与えることがわかった。行動要因のうち、自信過剰はパフォーマンスを著しく低下させるが、心の理論、時間割引、損失回避、曖昧さ回避も重要な役割を果たしている。また、高レバレッジ、他人のレートを参考にする、一貫したトレーディング・スタイルの欠如、トレンド・フォローなど、パフォーマンスに悪影響を及ぼす投資戦略やトレーディング行動もいくつか確認された。行動要因の影響は、投資戦略と取引行動をコントロールした後もなお強い。このことは、自らの行動バイアスを認識し修正することが、投資パフォーマンスを向上させる最も効果的な方法であることを示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

アンケート調査と取引データの分析が十分に進展していないが、その理由は他の仕事が多いからであり、研究時間が十分にあれば、順調に進展していくと思われる。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、アンケート調査と取引データの分析に注力する。

建玉の保有期間やレバレッジと投資パフォーマンスの関係は、因果関係が双方向にあることが想定されるので、操作変数を用いて最小二乗法による推計を行うことが必要である。そこで、アンケート調査によって得られた行動バイアスや選好、投資家の属性を利用して、操作変数になることができる変数を探した上で、因果関係の推計を行う。

Causes of Carryover

研究期間最終年の2024年度にアンケート調査を実施する予定で、そのために予算を残しておいた。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023

All Presentation (3 results) Book (2 results)

  • [Presentation] 金融リテラシーの男女間格差~数学的思考力と将来計画~2023

    • Author(s)
      岩壷健太郎
    • Organizer
      日本経営財務研究学会
  • [Presentation] 「分散・長期・積み立て投資」と金融リテラシー2023

    • Author(s)
      岩壷健太郎
    • Organizer
      日本金融学会
  • [Presentation] 投資信託の取引傾向―気質効果と外挿バイアス―2023

    • Author(s)
      岩壷健太郎
    • Organizer
      日本ファイナンス学会
  • [Book] なるほどファイナンス2023

    • Author(s)
      岩壷 健太郎
    • Total Pages
      310
    • Publisher
      有斐閣
    • ISBN
      9784641151185
  • [Book] Commodity Market Finance2023

    • Author(s)
      Kentaro Iwatsubo
    • Total Pages
      222
    • Publisher
      MDPI
    • ISBN
      9783036590295

URL: 

Published: 2024-12-25  

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