2023 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Study of AI, VR, and AR Tool Use in Innovation
Project/Area Number |
22K18539
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川上 智子 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (10330169)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | イノベーション / 情報通信技術(ICT) / 人工知能(AI) / 拡張現実(AR) / 国際研究 / 国の文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,最先端のスマート技術であるAI・VR・ARツールの活用によってイノベーションの成果がどのように変化するかを国際的な実証研究を通じて明らかにすることである。研究期間2年目の2023年度は2022年度に執筆した論文の草稿を基に国際学会で2回報告を行った。報告した国際学会は、2023年6月にイタリアのレッコで開催されたInnovation and Product Development Management Conference(IPDMC), および2023年9月にアメリカのニューオーリンズで開催されたJournal of Product Innovation Managementの母体PDMAのResearch Forumである。共同研究者であるMax von Zedtwitz教授、Mette Praest Knudsen教授との共同報告であった。また、現代マーケティングの父と言われるPhilip Kotler教授に招聘を受け、2023年11月にはeWorld Marketing Summitにおいて招聘講演を行い、実務家向けに研究成果の一部を報告した。2023年度の後半は、学会発表時に頂いた質問やコメントを基に草稿を改訂するとともに、同年に急速に普及した生成AIに関する新たな調査を実施するため、日本における追加的な調査の設計と業者選定等を行った。質問票調査は2023年度内に行う予定であったが、欧州における調査と連動させる可能性が出てきたため、2024年度前半に行うことになった。調査設計と並行して、概念モデルと仮説の構築を目的として、生成AIをイノベーションに活用した企業数社に探索的なインタビュー調査も複数回、実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は欧米で計2回の学会報告を行い、日本のような集団主義の文化ではAI等のスマート技術の導入が遅れるという発見事項を提示できた(Kawakami, von Zedtwitz and Knudsen, 2023a, b)。一方、2023年はオープンAI社のChatGPTを始め、対話型生成AIが急速に普及した。それによって、本研究で用いたデータの陳腐化、生成AIの経営学的研究の急激な増加という予想外の状況が生じた。そこで本研究も、生成AIの活用を対象とした新たなデータ収集を目指す方向に転換した。生成AI以前の状況とは異なり、日本は他国に比べ、企業が生成AIの導入に前向きである。これは先の発見事項とは矛盾するため、新たなデータによる実証が必要となり、2023年度中に調査設計まで完了した。 Kawakami, T. M. von Zedtwitz, an M. P. Knudsen (2023a), Does National Culture Affect AI Adoption? Empirical Analysis of the 5th Global NPD Best Practice Survey. Innovation and Product Management Conference 2023, Lecco, Italy. Kawakami, T. M. von Zedtwitz, an M. P. Knudsen (2023b), Which National Cultural Factors Promote Digital Technology Usage? Findings from the 5th PDMA Best Practice Survey. PDMA JPIM Research Forum, New Orleans, U.S.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は欧米で計2回の学会報告を行い、日本のような集団主義の文化ではAI等のスマート技術の導入が遅れるという発見事項を提示できた(Kawakami, von Zedtwitz and Knudsen, 2023a, b)。一方、2023年はオープンAI社のChatGPTを始め、対話型生成AIが急速に普及した。それによって、本研究で用いたデータの陳腐化、生成AIの経営学的研究の急激な増加という予想外の状況が生じた。そこで本研究も、生成AIの活用を対象とした新たなデータ収集を目指す方向に転換した。生成AI以前の状況とは異なり、日本は他国に比べ、企業が生成AIの導入に前向きである。これは先の発見事項とは矛盾するため、新たなデータによる実証が必要となり、2023年度中に調査設計まで完了した。 Kawakami, T. M. von Zedtwitz, an M. P. Knudsen (2023a), Does National Culture Affect AI Adoption? Empirical Analysis of the 5th Global NPD Best Practice Survey. Innovation and Product Management Conference 2023, Lecco, Italy. Kawakami, T. M. von Zedtwitz, an M. P. Knudsen (2023b), Which National Cultural Factors Promote Digital Technology Usage? Findings from the 5th PDMA Best Practice Survey. PDMA JPIM Research Forum, New Orleans, U.S.
|
Causes of Carryover |
旅費交通費は主として2023年6月に開催されたInnovation and Product Development Conferenceで学会発表するため、在外研究先のハワイからイタリアまで、およびイタリアから日本までの渡航費である。学会参加費も雑費として支出した。2024年3月には日本で企業の管理職層を対象に郵送で質問票調査を実施するため、初めて利用する調査会社との打合せを対面で行う必要があり、ハワイから日本に帰国する旅費交通費(往路のみ)を支出した。この調査に関連し、定性的調査で行ったインタビューの文字起こしソフトを購入し、雑費として計上した。また、企業・役職別に収集された対象者の名簿を計2465件購入し、消耗品費として計上した。研究室のプリンターが故障したため、これらの印刷用に購入し、消耗品費して計上した。以上が2023年度の使用額の概要である。ただし、予定していた質問票調査は、郵送の準備まで整えたものの、質問項目の作成に際し、デンマーク側との調整が必要となり、実査のみ2024年度前半に延期となった。そのため、使用予定であった実査の費用が繰越となった。次年度使用額が生じたのは、この理由によるものである。
|