2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢期のキャリア形成と生活再編過程に関するジェンダー比較研究
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22K18567
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 信彦 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20222284)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 定年退職 / ジェンダー / 生活の再編過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性の定年退職に関する分析、あるいは定年退職過程のジェンダー比較に関する研究はきわめて少ないのが現状であることを踏まえ、定年退職を契機とした生活適応過程についてジェンダー比較の視点から検討することが本研究の目的である。2023年度はこのような研究目的に沿って、主に次の三つの作業を行った。 第一に、定年後の労働市場での「就業行動」および「生活の再編過程」にジェンダー差がみられるかどうかについて、既存のデータから分析を試みた。2017年、2019年に実施済みのアンケート調査による個票データをもとに、60歳以上の中高年齢者の就業行動と定年後の生活の実態を再分析し、単著論文として取りまとめた。また、「老い(aging)」を視野にいれながら、探索的な研究として「老年的超越」の観点から二次データを分析し、その一部は国際学会で発表した。 第三に、研究を進める中で、高齢期の生活再編過程のジェンダー比較においては、就業か否かという視点のみならず、幸福感(well-being)、成熟度、キャリア観、天職観、公共活動への志向、スピリチュアリティなど、経済活動以外の変数が極めて重要であることが分かった。そのため、研究協力者3名(学識経験者)の協力を得て意見交換を複数回実施し、アンケート調査の枠組みを構築した。 第三に、以上の二次分析で見出された仮説および、研究協力者との意見交換による検討をもとに、均等法第一世代、第二世代を含めたコーホートを対象に、2024年2月~3月にWeb調査によるアンケート調査を実施した。均等法世代を含む幅広いコーホートのジェンダー比較が可能なサンプル数、合計7000名の大規模データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存のデータの二次分析をもとに、学術論文として知見を取りまとめることができた。また、そこで見出された仮説をもとに、均等法第一世代、第二世代以下を含めたコーホートを対象に、7000名の大規模データを収集できた。これにより、本研究の主題となる「定年退職後の生活再編過程のジェンダー比較」を計量的に分析することが可能になった。 以上から、本研究は「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究年度の最終年度となる2024年度は、2023年度に実施した調査データを分析し、学会、シンポジウム、論稿など、学術的成果を公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
アンケート調査は2023年度に実施したが、年度末実施のため、調査会社への支払いが次年度になったため。
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