2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Analysis Methods for Using Learning Log Data for Quality Assurance of Digital Textbooks
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22K18611
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長濱 澄 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50779270)
中川 哲 立命館大学, OIC総合研究機構, 教授 (00971186)
柴田 隆史 東海大学, 情報理工学部, 教授 (90367136)
大久保 紀一朗 京都教育大学, 教育創生リージョナルセンター機構, 講師 (00965535) [Withdrawn]
八木澤 史子 千葉大学, 教育学部, 助教 (70965342) [Withdrawn]
川田 拓 東北大学, 情報科学研究科, 特任助教 (10907455) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ラーニングアナリティクス / 学習ログ / デジタル教科書 / 質保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,国によって検定済のデジタル教科書をクラウド上に設置し,これを利用するために端末側で必要となるデジタル教科書ビューアを機能拡張することによって,デジタル教科書を用いた学習者の履歴データ(以下「学習ログ」)をクラウド上に取得し,学習ログを基にしたデジタル教科書の利用のされ方について解析する手法およびデジタル教科書の改善の手法について研究するものである。これまでの学習ログの活用が,多くの場合,学習者の学習理解の推定にフォーカスされていたのに対し,本研究では我が国で国によって予算措置され公的に用いられている教科書の精度向上に学習ログを用いようという点で挑戦的である。 第1年次(2022年)では,デジタル教科書ビューア等の機能拡張について,デジタル教科書の制作会社およびデジタル教科書ビューアの開発会社の協力を得て,既存の製品の機能拡張を実現した。学習ログを回収する機能を実装し,授業に影響を与えない形で学習ログを複数校からクラウド上に回収し,これを分析ツールによって解析する環境を整えた。学校現場においては児童生徒の個人情報の保護の観点から,学習ログの回収についてデリケートな側面があるが,これに対して本研究では,学習ログのうち個人情報として特定できる部分を匿名化し,個別の学習者が特定できないように学習ログを適切に管理する技術を用いることとした。茨城県つくば市教育委員会の協力を得ることができた。 第2年次(2023年)では,茨城県つくば市教育委員会において,機能拡張したデジタル教科書ビューアを学校現場で利用してもらい,クラウドストレージに取得した学習ログを解析した。その結果,4つのクラスタに分類でき,学習効果との対応関係が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
協力を得ている自治体である茨城県つくば市教育委員会との関係も良く,研究にたいへん協力的な関係を得ている。また,協力を得ているデジタル教科書の制作会社およびデジタル教科書ビューアの開発会社とも良い連携関係が得られており,システム開発や学習ログの回収について順調に推移している。 研究についても,順調に成果が出ているが,デジタル教科書へのダイレクトなフィードバックが今年度(2024年度)の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年次(2023年)には蓄積された学習ログをデータクレンジングするための技術的な検討をし,デジタル教科書の利用状況(各機能の利用頻度,各学校の現在の学習位置の推定とその分布)を正確に把握し可視化するための解析手法を探索的に検討した。クラスタ分析等によって実証データを解析し,研究成果をプレスリリース等で全国に公表し,積極的に講演やセミナー等で広報した。 第3年次(2024年)は,解析手法を確立させ,学習解析ツールを開発し,デジタル教科書への質保障にフィードバックする仕組みを検討する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は,デジタル教科書の学習ログから学習者の健康支援につながるデータについて,研究室環境で探索的な検討を行った。研究室で所有する端末や機材を用いたこと,出張も生じなかったことから分担金は未使用であった。次年度は,これまでに検討したことを基に学会や研究会等で報告や情報収集をすることから,研究費を繰り越しにより使用する予定である。
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Research Products
(19 results)