2024 Fiscal Year Research-status Report
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22K18638
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| Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
川上 雅弘 京都産業大学, 生命科学部, 准教授 (30569231)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 研治 茨城大学, 教育学野, 教授 (00312596)
桜木 真理子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 研究員 (20987193)
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| Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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| Keywords | DIYバイオロジー / ELSI |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インターネットの普及で情報収集が容易になったこと、遺伝子の解析や合成の費用が安くなったことなどを背景に市民が日曜大工感覚でバイオテクノロジーの実験を行なう「DIYバイオロジー(DIYバイオ)」が可能な土壌が整いつつある状況を見据え、DIYバイオに対する市民の認識を明らかにしながら、DIYバイオに関わる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の調査を行い、さらにはDIYバイオのELSIについての教育プログラムを開発することを計画している。 今年度は昨年度までに実施したDIYバイオの市民認識やELSIの整理に加えて、DIYバイオの物質的な側面から科学と社会の関係性を考察した。近年、公共参加や公共関与などのような、科学の専門家と市民の対話や協働が公的な文脈において重視されてきている一方で、対話だけでなく物や実践にも注意を払う必要性が論じられている。このような文脈においてDIYバイオの物質的な側面は、市民の科学への「参加」を拡張する可能性を見出すことができる。たとえばDIYバイオに関わる人々は高額な実験機器の代用品を身の回りの材料から自作するが、DIYバイオで行われ、物を作る、組み合わせる、手直しをするといった行為は、既存の科学もしくは実験ツールを再構築・再解釈していると見なすことが可能である。このように物や技術へのアクセスという点から科学と社会の関係性を考察しうることを指摘した。また、これら調査を参照しながら、理科教員を主な対象とする研修プログラムの構築と試行を実施しており、この際には、DIYバイオの実験とELSI課題について思考するための教材を組合せたプログラムの構築を目指して進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度から遅れていた一般市民対象のDIYバイオの認識調査およびELSIの整理については文献調査や課題整理などが進んだものの、最終的な目標としている教育プログラムの開発については試行にとどまっており、当初予定から研究計画が遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初計画よりも研究進捗は遅れているが、これまでに実施した一般市民のDIYバイオの認識調査の結果やDIYバイオのELSIに関する調査結果をもとに進めている、DIYバイオが広がる社会に必要なELSIについての整理も済んでおり、今年度中にDIYバイオのELSIの認識に資する教育プログラムを構築し理科教員を想定した研修プログラムを実施する。
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| Causes of Carryover |
初年度に予定していたアンケート調査の遅れなどから、当初予定から定量調査や定性調査の実施が遅れ、その結果最終年度に予定していた開発教材を用いた研修プログラムの実施計画が遅れた。最終年に開発教材の完成と研修プログラムの実施を予定していたことから開発費用や研修会実施のための費用が未支出となった。当初計画から1年の遅延が生じているが、この年度内に教材開発や研修会実施および研究成果の報告費用として使用する。
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