2022 Fiscal Year Research-status Report
脳状態可視化に基づく内受容注意モニタリングシステム開発とマインドフルネスへの応用
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22K18643
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 健二 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (50586021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今水 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30395123)
鈴木 啓介 北海道大学, 人間知・脳・AI研究教育センター, 特任講師 (60516029)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 認知神経科学 / 脳機能イメージング / 内受容感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、被験者自身の内受容注意に関わる脳活動を可視化して本人にフィードバックすることで、効果的な脳のセルフコントロール・システムを提案する。身体内部からの情報を伝える感覚(内受容感覚)は、特に感情・情動やメンタルヘルス等との関連が示されている。マインドフルネスでは、現在の自分の身体内部感覚(呼吸や心拍)に注意(内受容注意)を向ける (body scan)ことで、外的なストレスへの 効果的な対処を図っており、心理臨床現場でもその効果が実証されている。しかし運動訓練等とは異なり、内受容注意の程度、すなわち自身の脳活動変化を観察することはできないため、どのような方略を取れば効果的であるのかが明確でないという問題点がある。そこで本研究はリアルタイムfMRIを使い、内受容注意時の自身の脳活動を可視化し本人にフィードバックすることで、自身の脳状態を把握した効果的な脳のセルフコントロール・システムの開発と応用を目指す。本提案では脳の島皮質に着目する。島皮質は大脳皮質が島のように内側に折り畳まれている箇所であり、視床から内臓感覚などの身体内部に関する感覚(内受容感覚)を前頭葉へと中継する場所である。またfMRIを使った研究からも、内受容注意により、島皮質の活動が増加する点が明らかになっている。実験では、被験者にMRI装置に横たわった状態で内受容注意課題を行ってもらう。具体的には、軽く目を空けた状態で自分の現在の身体感覚(呼吸や心拍など)に注意を向ける。その際の島皮質の活動をfMRIで計測し、その結果を本人に対してリアルタイムで棒グラフや数値等で分かりやすく視覚呈示でフィードバックする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去に我々が取得したfMRIのオフラインデータから島皮質における内受容感覚との関連を確認するとともに、効果的なニューロフィードバックのデザインについて検討を行った。またリアルタイム処理とマルチボクセルパターン分析とに基づくニューロフィードバックのためのプログラム作成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ニューロフィードバック用のプログラムの完成とともに、実際にニューロフィードバック実験実施を行う。
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Causes of Carryover |
理由:昨年度は、新たなfMRI実験に対する検討に時間を費やした結果、実験のためのfMRI装置使用料や被験者謝礼等が少なくなったため、次年度使用額が発生した。 使用計画:fMRI装置使用料や被験者謝礼といった実験のための経費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)