2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトとサルで「社会脳」の機構や進化を調べる次世代ハイパースキャニング脳波計の開発
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22K18644
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 浩介 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30345516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴻池 菜保 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 特定助教 (80645169)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ロギング / 脳波計 / 音声コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
動物としての“ヒト”は、自己や他者の認知に関わる社会脳とよばれる高次な脳機能を進化で獲得し、豊かな社会性を持つ“人間”となった。社会脳は個と個をつなぐ脳機能なので、ひとりひとりを個別に調べても分からないことが必ず残る。そこで、ハイパースキャニング法が考案された。これは通常2台の脳機能画像装置で、同時に複数の被験者の脳活動を測定するものだが、考案から20年が経ち、成果には頭打ちも見られる。本研究は、この方法論を不連続的に飛躍的に発展させる新設計の脳波計を開発する。革新性は、以下の通りである。1)小型でウェアラブルな無線装置のため、屋外など自然な社会場面で使用できる。2)何台にでも拡張できる。3)実験者が用意した刺激だけでなく、被験者の突発的で自発的な発話や表情などへの脳反応を、事象関連電位として解析できる。4)サルに装着することで、社会脳の進化を調べるほか、薬物投与や光遺伝学的な研究への道が開ける。こうした突出した強みのある方法論を開発し、社会脳の研究にブレークスルーをもたらすことを目的とする。 しかし研究の初年度に、サルの実験を行う予定であった共同研究者が、サルを飼育をしていない教育研究施設に異動となった。これにより、研究体制の再構築に時間がかかったが、新しく分担研究者を加えることにより、当初の想定に近い共同研究体制を整えることができた。また、その間に2つの準備を行なった。一つは、本研究の開発目的である「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」の1号機を製作し、ゲイン調整を行なった。もう一つは、齧歯類の無侵襲脳波記録法の開発である。「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」を適用する対象として、サル以外に齧歯類を含めることを想定して、マウスの頭皮上無侵襲脳波記録の方法論を開発し、聴覚誘発電位の記録に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他施設においてサル実験を行う予定であった共同研究者が、サルを飼育をしていない教育研究施設に異動となったため、研究体制の再構築に時間がかかっているため、進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」を用いて、ヒトとサル(もしくはマウスやラット)における聴覚誘発電位を記録し、このデバイスの有効性を検証する。また、記録された音声データから聴覚イベントのオンセットのマーカーを自動的に挿入するアプリケーションを開発する。これにより、「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」によって得られたデータの解析法を確立し、応用への準備を整える。
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Causes of Carryover |
サルの実験を行う予定であった共同研究者が、サルを飼育をしていない教育研究施設に異動となり、研究体制の再構築に時間がかかったため。
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Research Products
(3 results)