2022 Fiscal Year Research-status Report
かわいさは何によってきまる?ー距離と角度と発達・進化的観点からのアプローチー
Project/Area Number |
22K18660
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
加藤 正晴 同志社大学, 赤ちゃん学研究センター, 准教授 (20408470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 卓真 同志社大学, 心理学部, 教授 (10347742)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 顔魅力 / ベビースキーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
今までに多くの研究により、ベビースキーマと呼ばれる子どもに特徴的な風貌(大きな瞳、大きな額に対して相対的に小さな顎、小さな唇など)は養育行動を誘発し、同時にかわいいという情動を喚起し、脳の報酬系を賦活させることが示されてきた。しかし、なぜかわいいという情動をひきおこすきっかけがベビースキーマでないといけないかについては、何もわかっていない。 本研究では、向かい合う2者の身長差および距離感がある一定の条件を満たすとき保育者・ベビースキーマを特徴づける顔の見え方となり、魅力の上昇につながるのではないかと考え、この仮説を検証する。 初年度は、身長差および距離それぞれについて複数の条件を置き、魅力がどの程度影響を受けるか検討した。一つのモデル顔ごとに身長差に対応する撮影角度として-40度から+40度までの11条件、距離は手に届く範囲の距離と数メートルの2条件、この組み合わせの22条件設けた。モデル顔は8つ(男性顔4、女性顔4) 設け、各モデル顔ごとに100名(20代男女50名ずつ)、合計800名が調査に参加した。参加者は提示された顔の魅力を11段階で評価することを求められた。 その結果、想定通りある一定の角度および距離において最も魅力が高くなることが示された。しかし、本刺激では視線のコントロールができておらず、条件によっては参加者と視線が合わない刺激となっていた。そこで次年度に実験を行うことを目標に、ゲーム制作プラットフォームを利用し、どの条件下でも視線があう刺激を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は計画していた最初の実験を行った。結果は部分的に予測通りとなったが、想定外の結果も得られた。 その他改刺激に関する善点も見つかったため、新たに刺激の作成に取り組んだ。今回からはフル3DCGモデルを作成しそのモデルを撮影する方法となったが、実際に実在する様な雰囲気をもつ日本人を作成することが想定以上に困難を極め、なんとか年度内に8人分のモデルを作成することができた。今年度以降の研究の展開を考えると良いタイミングで必要なところまで進めることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施した実験を、新たに作成しなおした刺激を用いて再度実験を行う予定である。同時に、当初計画していた仮説が文化を超えてなりたつかどうかを調べるため、西洋人のフル3DCGモデルを作成し、実験も行う予定である。海外で実験を行う必要があるが、幸いドイツに協力してくれる研究者がいるため、実施できると考えている。
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Causes of Carryover |
新しい実験のために用意しする刺激のためには、3DCGのモデルを作成する必要がありそのための技術理解や依頼先探し、依頼先を見つけてからの作成には想定以上の時間がかかった。そのため新しい実験を開始するまでに至らなかった。なお、刺激作成のための費用は学内予算により支払った。次年度への繰越金額は前年度に行えなかった実験を行うために使用する。
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