2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K18670
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 泰広 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10213745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野海 正俊 立教大学, 理学研究科, 特任教授 (80164672)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 可積分幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己双対ヤン・ミルズ方程式に対し、非線形可積分系における双線形化法を用いて明示的な解の構成を行い、二変数任意函数を含む多成分グラム型行列式によって、広いクラスの解の空間が記述できることを明らかにした。方程式の対称性に従う時間発展のフローを導入する以前の代数的関係式において、コーシー型行列式による径数付けが可能であることに基づいて解を与えておけば、時間変数依存性を考えたとき新しい拘束条件を追加することなく微分方程式を満たすことを示すことができる。これらの解の行列式構造は、初期条件を様々な速度成分に分解してから重ね合わせていることに相当しており、局在構造を持つ解などの具体的な解を導出するための簡便な方法を与えている。横方向に弱分散を持つ浅水進行波などを記述するI型のKP方程式について、エアリー函数型の解に対する行列式表示では、各成分がエアリー函数及びその導関数の二次式の不定積分で与えられる。それらの解のうち、被積分函数が完全微分型になる場合を抽出することによって、各成分が有理函数を係数とするエアリー函数の微分多項式で表されるようなグラム型行列式解を導出することに成功した。ゲージ因子付きのエアリー函数が非自励的線形相似条件の解として特徴付けられることを見出し、この相似条件式を用いることによって、固有函数を任意回微分して進行方向にずらしてから共役との積を取ったものは、一般的に明示的な積分が可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可積分幾何に現れる運動方程式系に対して、解空間の対称性に基づく理解が進んだから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、可積分幾何に現れる曲線、曲面の動力学に関して、双線形形式と対称性に基づく研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
解の構造の表現論的、特殊関数論的解析を引き続き次年度以降にも行うこととしたため。研究分担者との表現論的、特殊関数論的方法に基づく対称性による解空間の構成の研究に使用する計画である。
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