2023 Fiscal Year Research-status Report
Dark Matter Search Using Quantum Sensing
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22K18711
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下 暁人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20785703)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / アクシオン / 量子ビット / マグノン / 量子センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超伝導量子ビット「トランズモン」を用いた量子センシングによる暗黒物質探索と、それを発展させた将来実験のための技術開発を行なう。トランズモンは5 GHz付近の共振周波数を持つ非線形超伝導共振器であり、今最も注目される量子ビット素子の一つである。これを用いて量子非破壊測定を行なえば、5GHz の光子 (~20 ueV) やそれと結合する準粒子の単一量子測定を、量子雑音の限界を超えた精度で達成できる。近年、Axion・暗黒光子・軽い暗黒物質など、多様な暗黒物質候補の探索が求められており、これはトランズモンによる低エネルギー検出の格好な応用対象となる。 2年度目においては、引き続きマグノンと量子ビットの結合系についてそれを用いた暗黒物質探索実験に向けた研究開発を進めた。マグノン媒質YIGの体積を増やすことに向け、大きなYIGにおけるマグノン共鳴のQ値が低下する問題を調べ、その原因を突き止めて改善することができた。また、シリンダ状のYIGを使うことで体積を大幅に増加させる試みを進めて、評価用の共振器を設計し、試験を行う準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリンダ状のYIGを使うことで体積を大幅に増加させるというのは本研究開始後に得た新しい着想であるが、暗黒物質探索において大きな性能改善が見込まれるためこれを研究の軸として進めている。これには新しい共振器が必要であり、さらに大きな体積に一様磁場を印加せねばならずそのための電磁石もあらたに設計・作製をする必要がある。これらの研究は当初計画していたものに足されるものであるため、研究の完成までの時間という意味で遅れが生じている。しかし、当初の予定よりも大きなスコープを研究するという意味で、研究の内容としては遅れとは考えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
従来よりも大きい直径2mm球のYIGの研究を進め、これを用いた暗黒物質探索を目指すと共に、シリンダ状の大型YIGによる暗黒物質探索についての開発も並行しておこなう。これにより、従来実験に比べて大きく感度を向上する。
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Causes of Carryover |
研究を進める上で、YIGの大型化を達成するためにシリンダ状のYIGを用いることが有利であると見いだした。このYIGを評価するために、新規の共振器を設計し、電磁石もあらたに準備する必要がある。これらは当初の計画に追加して行うものであるため、より長い時間をかけて研究を行う必要がある。
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