2022 Fiscal Year Research-status Report
Creation of cardiac hybrid devices
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22K18777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 佳代 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (40532221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70373032)
松浦 勝久 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70433993)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 不整脈 / ハイブリッドデバイス / 心筋組織 / 数値解析 / TdP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長期間の心筋細胞組織内部の精密な評価を行うことである。新薬開発において、心臓組織における薬効評価、心毒性の評価は極めて重要な課題である。特に、組織内部にローカルに発生する問題の早期検出が重要である。これまでこのように組織内部を正確に評価することができなかったため、新薬開発のステージを上げなければ、問題が顕在化することはなかった。しかし、本研究で取り組んだ評価手法をさらに発展することによって、早い段階で副作用を発見することが可能になるため、新薬開発にかかる開発費用の大幅低減が期待できる。また、心臓に直接貼り付けた組織から、AEDのような電気刺激を与えることで、不整脈を検知した時に自ら電気刺激を与え、不整脈を取り除く(治す)ことが可能になる。このことは、構築した数値解析結果から実施可能なことを確認した。 組織内の細胞外電位の伝播を正確にシミュレーションする数値解析アルゴリズムを構築した。組織内部に存在する線維芽細胞の比率が増えることによって、2次元解析においても、3次元解析においても、致死性不整脈であるTdPが発生することを確認した。さらに線維芽細胞の比率を増やすことによって、自然に不整脈が組織から消滅しないことを確認した。この結果は、実際の結果と定性的に一致することを確認した。さらには、スパース的に取得した解析結果を用いて、測定点の間の電位の様子をある程度予測できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
エレクトロニクスと心筋細胞から構成されるハイブリッド組織を作製し、評価する実験は時間とお金が相当かかるが、得られた実験結果に基づいて、解析モデルを構築すること、そして解析精度を上げることは、本研究において極めて重要であると考えていた。初年度において、2次元解析だけでなく、3次元解析まで実施し、十分に解析モデルを大幅にアップデートすることに成功した。この成果は、本研究において最も重要な内容であり、2年目に達成しようとしていた内容を初年度に達成したため、当初の計画以上に進展したと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
数値解析を中心とするジャーナルの執筆を行う。また、ジャーナルの投稿までは、さらなる精度向上を目指す。また、本数値解析結果を踏まえて、エレクトロニクスと心筋細胞組織の実際のハイブリッドデバイスの改良に繋がるアイデアを提案し、改良に繋げたいと考えている。
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Causes of Carryover |
効率的な研究推進ができたこと、コロナにおける実験制約により、想定していた支出が減ったことの理由により、繰越金が発生した。2023年度はコロナにおける制約がなくなるため、繰越金も最大限効果的に活用する。
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Research Products
(1 results)